森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:潜水艦は蝶の夢を見る

2011年03月01日 11時09分51秒 | 日記
国家試験を日曜日に終え,4月からの仕事に携わろうとする若者たち,
みなさんに 「潜水艦は蝶の夢を見る」 という映画を送ります.
昨日久しぶりに見ました.

一生,初心忘れず,セラピストの視点でなく,患者の視点でセラピスト人生を生きてください.
そこには,理学療法だの,作業療法だの.言語聴覚療法だの,境界はないのです.
そんな,プライド,アイデンティティは捨ててください.
一人の人間として,患者,その家族の視点で生きる,それが医療者としての責任です.
経験というのはむしろ邪魔することが多々あります.
現在,3年生は実習に行っていますが,そこにいるセラピストは,
その経験が活かされている者,そして勘違いしている者と,様々です.
患者からみた一人称とは何か?それを忘れず定年までむかえてください.
それを持ち続けば,教育の本当の意味も理解されるでしょう.
「教えてやろう」とか「実行」ばかりに目を向けてはなりません.
患者,学生から見える世界は,聞こえる世界は,そして感じている世界は,と
そっちに興味を持てば,教育は楽しくてしょうがないのです.
若いバイザーはまだそういう「支配」「実行」のみであり,
それもしかたなく,逆にほほえましく思えます.
自分もそうだったと,何とかしたいたか,この仕事は素晴らしいとか,
自分のことばかりを伝えていました.
自分本位から抜け出ると,いろんな発見があるのです.

脳にはやっぱり,いろんな情報を入れる余裕・キャパが大事です.
教育とは,臨床とは「余裕」を持つということです.
スピード,量,根拠ばかりが優先される今の日本が忘れていることだと思うのです.
心の豊かさの復興計画です!