本日の午前中は3年生にレナードの朝をみてもらいました。
私はもう30回以上見ていますが、毎度みるたびに新鮮です。
そして、エンディングに近づくにつれ、涙がぽろぽろ出てくるのです。
今回は自己とは何かを調べていた関係で、その人個人の人生について感慨深くなっていました。
ホールの大画面、今年からうん千万かけてプロジェクタを変えたことから、すばらしい映像になっていました。
人間には白黒つけられないプロセスがあり、
そのプロセスこそがその個人をつくっています。
結果だけ切り取る医療は優しくありません。
それはしょせんつくられたアウトカムです。
さて、学生のみなさんには、レナードの朝をみた後、以下の言葉をおくりました。
1. 患者の可能性を信じて行動にうつせ。医療者があきらめたときが限界である。
2. 何をもっても治療に置き換えよ。環境には治療のヒントになることが大いにある。
3. それぞれの人生の履歴を治療に使え。脳にはそれぞれの履歴が記憶として刻印されている。そのひとらしさを引き出そう。
4. ひとりの人間としてかかわれ。いつか自分も老い病気になり死にゆく。たとえ動かなくてもその人自身は生きている。
5. 自分の人生、その毎日毎日をかみしめろ。つらいこと嫌な事そうしたことを感じられる事は人間としてとても幸せなことである。
6. 利他的に生きてみろ。親近者以外へ奉仕することは人間しかできないものである。
7. 患者とともに自分の人生を歩め。そして患者に学べ。それが医療者の姿である。
いつ見ても、今なお脳を研究している私にとっては無力を痛感しますが、
その一方で、人生って、本当にすばらしいと思うのです。
それを老いてなくなるまで、いや突然命がなくなっても、その瞬間まで噛み締めたいと思います。
この世において、「私自身」という、かけがえのない、そして貴重な体験をさせてもらっているのです。