森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

ニューロリハセミナー(機能編B)を終えて

2015年10月26日 00時10分08秒 | 脳講座
ニューロリハビリテーションセミナー(機能編B)終了しました。300名の方々に、はるばる奈良まできていただき感謝です。「行く」ではなく、この「迎える」という感覚が、たまらなく、かつとても心地よいわけです。
来ていただくことで、私たちの講演内容以外の、環境というか、関係性(講師同士だけでなく、院生、事務員、カフェブースのお姉さま、本屋さん、そしてみえない大学関係者、掃除のおばさま、、学生などなど)というか、所作というべか、細部というべきか、花(内容)でなく、土の中というべきものを感じてもらえたのではないかと思っています。
もちろん花が咲いていなければ魅力はないので、その花はたっぷりの情報で皆さんを魅了できるよう、ちょっとした情報の取得と魅せ方は努力するわけです。ただその花が、造られた豪華絢爛で全員同じで優等生なものであってしまえば、少々生物らしさから離れるため、嫌悪や妬みや不安が惹起したり、あるいは「あ~すごいな(私には無理だな)」という諦めの意識を生み出すため、私たちは自分らしさを残した素の花をとりあえず咲かせているわけです。
実は、当日までみんな、互いに何を話すか知りません。そして、誰もが誰かのトークに無理やり介入(修正要求)することはありません。そしてこんな風にやろうという意識や意図のつくられた統一もしません。そして一応私がリーダーではあるんですが、全くもって忠告はしません(信じるという視点から)。みんながみんなのトークを聴きながら、互いに誤差修正しつつ協力という視点で、6年かけてこの統一感という雰囲気・関係性をつくってきました。
畿央大学の建学の精神の最高峰(私が勝手に解釈している)に「美をつくる」というものがあります(他は徳を伸ばす、地をみがく;以前のfacebookに掲載)。この関係性の構築(非言語でも分かり合える)こそが、「美をつくる」というものではないかと、最近実感してきたわけです。
美しい関係性はすぐさまつくることができません。時間をかけて熟成し、少々の我慢と努力のスパイスをいれつつ、互いに役割の意識を持ちながら振舞う・演じるという意識の連鎖を繰り返しながら時間をかけてつくられてくるのではないかと思います。
その結晶が、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターをはじめ、理学療法学科の教員が、比較的長い間において、一人たりとも退職しない結果ではないかと最近思い始めました。
みんなそれなりに業績を持ったメンバーで、今尚実績を積んでいる面々、、、大学にしては比較的若い組織であり、それぞれ、いくらでも売れる人材ばかりだと僕は思っていますが、居心地の良さという内受容感覚の同調性の潜在的意識と、今尚、この環境において、何歳になろうとも自分が成長していると感じることができる(内言できる)意識の顕在化の出現が、この組織には起こっているのではないかと思っているわけです。
いずれにしても、私たちにとっては、皆さんに畿央大学にきていだき、2日間10時間の講演の連続による疲労感の中でも、ほっこりとした気分、優しい気分、頑張ろうという意識、そして何よりも知ることの楽しさ、もっと知りたいという欲求があの空気感の中で連鎖していってくれることが何にも代えがたい報酬です。そんなことぐらいしか貢献できてないかもしれませんが、そんなことが生きていくためには、あるいは皆さんの仕事のためには、とても大切ではないかと、心底思っている集団です。2月にまたそういう気分を互いに味あえるように、メンバーで協力しながら準備をしていきます。
2日間にわたりありがとうございました。