昨晩、NHKの特別番組「集団的自衛権行使の是非を問う」を見ました。
賛成派と反対派の政治家や学者、専門家がそれぞれ三名づつ出演し持論を闘わせてましたが、非常に興味深かったですね。
一見、現実論者の賛成派と理想論者の反対派との討論に思えましたが、賛成派の巧みな本音隠しを反対派がどのように暴こうか、というところに私は一番興味を惹かれました。
私は集団的自衛権の行使には反対の立場ですから、賛成派の出演者が口を揃えたように主張していた「中国の侵攻に歯止めをかけるため」とか「日本が中国に攻撃された場合は同盟国にも参戦してもらう」という理由には納得がいきませんでした。
現実、中国は日本だけでなく、南シナ海を挟んだフィリピンに対しても挑発行為を続けてますし、ベトナムなどの東南アジア諸国とも軋轢を繰り返しています。
日本と中国を隔てる東シナ海の海上では、日本の同盟国であるアメリカの船が頻繁に行き来してますから、「もし中国がアメリカ船を攻撃した場合には、日本の自衛隊はすぐさま援軍を差し向けて中国を攻撃するのが同盟国として当然の努めであるから、そのためには今から集団的自衛権の行使を可能にしておかなければならない」というのが現政府の考え方です。
そうしないと、もし日本が中国から攻撃を受けた場合にはアメリカに助けてもらえなくなる、ということになるそうです。
しかし、中国が現実的に東シナ海でアメリカの船を攻撃するでしょうか...あるいは中国が日本に攻撃をしかけてくるでしょうか...まずあり得ないと思いますが...百歩譲ってもしそのような事態になることが想定されるのなら、アメリカとの同盟関係を維持するためだけに「集団的自衛権を行使する」という条件を付けてはどうなんでしょうか...。
昨晩の討論会では、「集団的自衛権の行使」を必要とする同盟国がどうもアメリカだけではなく、しかも、具体的に同盟関係にあるどの国が攻撃されたら日本が集団的自衛権を行使して攻撃参加するのかが明確にされませんでした。
ここが重要なポイントで、具体的な同盟関係にある国を示さないというのは、何か「本音」を隠しているのではないかと感じました。
もっと言えば、武器輸出三原則の緩和や原発再稼働の容認などにも同様な「本音」が隠されているような気がします。
いま最も危惧されるのは、集団的自衛権行使の容認が国民投票による憲法改正という手続きを踏まずに、現政権による閣議決定という前代未聞のやり方で進められようとしていることです。
現政権をここまで強気な政治運営に走らせるのは、与党の絶対安定多数という現状もさることながら、アメリカからの強い後押しがあることによると思います。
アメリカはすでに「世界の警察」から脱却しつつあるため、日本に対し自国の防衛は自国で賄うように要請しているようですから、現政権がそれを理由に軍備を拡大しようとしているんでしょうね。
そのかっこうな仮想敵国が中国そして北朝鮮というわけです。
ここで先日のブログに書いた「北風と太陽」の話をもう一度思い出してみたいと思います。
たとえば北朝鮮。
日本人なら北朝鮮を「北風」に見立てると思いますが、北朝鮮にしてみればアメリカが「北風」になると思います。
北朝鮮がミサイルを発射する時には、アメリカと韓国との合同軍事演習をしている時など、自国が軍事的な脅威にさらされていると感じた時が多いです。
これは「自分たちには核ミサイルがあるんだから攻撃してくれば核兵器で応戦するぞ」という、明確な意思表示ですね。
まさに強烈な北風を吹き付けられている旅人が、コートで必死に強風から身を守っている姿に例えられます。
一方、中国の船が頻繁に尖閣諸島周辺に近付き、自分たちの領土だと言って上陸を試みたりしてますが、これも元をただせば東京都が尖閣諸島を購入したことに端を発しています。
中国にしてみれば、日本のこのような態度が「北風」に思えたのかもしれません。
これに限らず、国家間の戦争も、個人の戦いも、一つの「北風」に端を発した「北風同士」の応酬ではないでしょうか。
私の結論です。
戦わずに済む方法、血を流さずに済む方法、試行錯誤の上で人類が見い出した方法が「日本国憲法第九条」なのだと思います。
「戦争を永久に放棄する」という宣言こそが、「北風」を凌駕し、人類に平和と安定をもたらす「太陽」なのです。
それを現実のものとしている我々日本人は、そのことをもっともっと誇りに思い「集団的自衛権の行使」を放棄すべきです。
賛成派と反対派の政治家や学者、専門家がそれぞれ三名づつ出演し持論を闘わせてましたが、非常に興味深かったですね。
一見、現実論者の賛成派と理想論者の反対派との討論に思えましたが、賛成派の巧みな本音隠しを反対派がどのように暴こうか、というところに私は一番興味を惹かれました。
私は集団的自衛権の行使には反対の立場ですから、賛成派の出演者が口を揃えたように主張していた「中国の侵攻に歯止めをかけるため」とか「日本が中国に攻撃された場合は同盟国にも参戦してもらう」という理由には納得がいきませんでした。
現実、中国は日本だけでなく、南シナ海を挟んだフィリピンに対しても挑発行為を続けてますし、ベトナムなどの東南アジア諸国とも軋轢を繰り返しています。
日本と中国を隔てる東シナ海の海上では、日本の同盟国であるアメリカの船が頻繁に行き来してますから、「もし中国がアメリカ船を攻撃した場合には、日本の自衛隊はすぐさま援軍を差し向けて中国を攻撃するのが同盟国として当然の努めであるから、そのためには今から集団的自衛権の行使を可能にしておかなければならない」というのが現政府の考え方です。
そうしないと、もし日本が中国から攻撃を受けた場合にはアメリカに助けてもらえなくなる、ということになるそうです。
しかし、中国が現実的に東シナ海でアメリカの船を攻撃するでしょうか...あるいは中国が日本に攻撃をしかけてくるでしょうか...まずあり得ないと思いますが...百歩譲ってもしそのような事態になることが想定されるのなら、アメリカとの同盟関係を維持するためだけに「集団的自衛権を行使する」という条件を付けてはどうなんでしょうか...。
昨晩の討論会では、「集団的自衛権の行使」を必要とする同盟国がどうもアメリカだけではなく、しかも、具体的に同盟関係にあるどの国が攻撃されたら日本が集団的自衛権を行使して攻撃参加するのかが明確にされませんでした。
ここが重要なポイントで、具体的な同盟関係にある国を示さないというのは、何か「本音」を隠しているのではないかと感じました。
もっと言えば、武器輸出三原則の緩和や原発再稼働の容認などにも同様な「本音」が隠されているような気がします。
いま最も危惧されるのは、集団的自衛権行使の容認が国民投票による憲法改正という手続きを踏まずに、現政権による閣議決定という前代未聞のやり方で進められようとしていることです。
現政権をここまで強気な政治運営に走らせるのは、与党の絶対安定多数という現状もさることながら、アメリカからの強い後押しがあることによると思います。
アメリカはすでに「世界の警察」から脱却しつつあるため、日本に対し自国の防衛は自国で賄うように要請しているようですから、現政権がそれを理由に軍備を拡大しようとしているんでしょうね。
そのかっこうな仮想敵国が中国そして北朝鮮というわけです。
ここで先日のブログに書いた「北風と太陽」の話をもう一度思い出してみたいと思います。
たとえば北朝鮮。
日本人なら北朝鮮を「北風」に見立てると思いますが、北朝鮮にしてみればアメリカが「北風」になると思います。
北朝鮮がミサイルを発射する時には、アメリカと韓国との合同軍事演習をしている時など、自国が軍事的な脅威にさらされていると感じた時が多いです。
これは「自分たちには核ミサイルがあるんだから攻撃してくれば核兵器で応戦するぞ」という、明確な意思表示ですね。
まさに強烈な北風を吹き付けられている旅人が、コートで必死に強風から身を守っている姿に例えられます。
一方、中国の船が頻繁に尖閣諸島周辺に近付き、自分たちの領土だと言って上陸を試みたりしてますが、これも元をただせば東京都が尖閣諸島を購入したことに端を発しています。
中国にしてみれば、日本のこのような態度が「北風」に思えたのかもしれません。
これに限らず、国家間の戦争も、個人の戦いも、一つの「北風」に端を発した「北風同士」の応酬ではないでしょうか。
私の結論です。
戦わずに済む方法、血を流さずに済む方法、試行錯誤の上で人類が見い出した方法が「日本国憲法第九条」なのだと思います。
「戦争を永久に放棄する」という宣言こそが、「北風」を凌駕し、人類に平和と安定をもたらす「太陽」なのです。
それを現実のものとしている我々日本人は、そのことをもっともっと誇りに思い「集団的自衛権の行使」を放棄すべきです。