北のパラダイス

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混迷の度合いを深めるTPP交渉

2014年04月26日 | TPP問題
オバマ大統領が直々に日本を訪れて、尖閣諸島に日米安保を適用するとまで明言したのに、アメリカは日本政府からTPP交渉の譲歩を引き出すことができませんでした。

このことはアメリカにとって大きな誤算だったと思いますし、今後のTPP交渉をさらに困難なものにしたことは間違いありません。

なにせ、交渉参加国の中で第一位と第二位の経済力を誇る国同士の交渉が事実上決裂した訳ですから、他の参加国に大きな影響を与えることは必至です。

裏を返すと、アメリカと日本で交渉がまとまってしまえば、ほぼTPP交渉の行方は決まってしまうと言っても過言ではありません。

今回のトップ会談でもまとめることができなかったということは、もともとまとまる話ではないことを、無理矢理まとめようとしているのではないかという気がします。

というか、アメリカが重要としていることと日本が重要としていることに乖離があるので、いくら議論を重ねてもどこまで行っても交わらない線上にお互いが乗っかったままの状態です。

どちらか一方が線の方向を変えて相手の線と交わろうとしても、それが相手に有利に働いてしまうことになれば交渉の負けに繋がってしまうので、できるだけ自国が有利になるように相手の出方をうかがい、押したり引いたりしているのが現状です。

この交渉に決着を付けるとすれば、どちらも勝ちもしない、負けもしない、言わば引き分けに持ち込むことしかないような気がします。

しかし、引き分けの着地点を見極めるのは至難の業だと思います。

だったら、無理矢理まとめないで、もう交渉はやめよう!! という訳にはいかないんでしょうかね。(笑い)

ここで交渉をやめてしまえば、そこで引き分けです。

そうなると何も進展は無かったように思えますが、そうではなくて、いくら話し合っても、議論しても、まとまらないものはまとまらないんだ、ということをアメリカも日本も理解する機会を得たということになります。

日本が聖域とする重要5農産物に対して、どうしてそこまで日本が固執するのかアメリカには理解できないんでしょう。

それは、理解してくれというほうに無理があるのかもしれません。

日本とアメリカとでは、そもそも国の成り立ちが違い過ぎます。

その違いを双方が理解するためには、まだまだ年月がかかるのではないでしょうか。

向こうにはそんな悠長なことは言ってられない国内事情があるんでしょうが、それは日本とて同じことです。

他国の人達にはなかなか理解してもらえないかもしれませんが、日本には昔から「三方よし」という素晴らしい商法があります。

売る方も、買う方も、世の中も良くなるという考え方です。

時代遅れと言われそうですか、勝ち負けが無く、みんなが良くなるやり方です。

アメリカ人ならそれは勝ったことにならないと言うかもしれませんが、それでみんなが幸せになるんだったらそれに越したことないと多くの人に思って欲しいですね。

それが私の目指す、市場原理優先の資本主義ではない、しかも社会主義や共産主義でもない、「すべての人が物心両面で豊かさを享受できる社会」です。