時間が少しあいてしまいましたが、今日は私の22/23シーズンを振り返ってみたいと思います。
■11/22-11/23 World cup#1 フランス Val thorens
スプリント55位
日本で雪に乗るチャンスもないままに、そのまま挑んだ開幕戦でした。
シーズン初の雪に加えて、いきなり標高2000m強でのレースに苦しみましたが、3シーズンぶりにワールドカップに復帰できたことがまずは何よりでした。コロナ禍の3年、止まっていた時間がついに動き出した瞬間でした。
■1/28-1/29 日本選手権 宇奈月温泉
スプリント8位、インディビジュアル5位
自分にできる最大限の準備と調子で本番に臨みましたが思うような成績を残すことができませんでした。
インディビジュアルでの入賞こそありましたが、翌シーズンのナショナルチーム入りの条件となる4位以内を両種目で逃し、悔しさだけが残る結果に。その中にあって、インディビジュアルでは前夜の急なドカ雪に周囲が軒並み苦戦をする中、ギア選択、ペース配分で入賞まで上がっていけたのはこれまでの経験が活かせた結果だと感じています。
■2/7-2/10 World cup#4 スイス Morgins
スプリント53位、バーティカル60位、インディビジュアル55位
1か月後に迫った世界選手権に向けて、今季はこのスイス大会からヨーロッパに渡り、調整を続けました。
同時に、ここからは日本選手権で逃した翌シーズンのナショナルチーム入り条件(ワールドカップポイント獲得=50位以内)を目指す戦いもスタート。ポイント圏内までは数字以上に遠いものですが、スタートラインに立ち続けることが可能性への第一歩。インディビジュアルは以前よりもかなり難易度の高いコース設定になっているので、アクシデントなく着実に完走することもひとつのチャンスだと感じました。
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日本ではなかなか経験できないような地形を登り、滑るのでそれ自体が最高のトレーニングにもなりました。
■2/16-2/19 World cup#5 イタリア Val Martello
スプリント65位、インディビジュアル66位、ミックスリレー27位
世界選手権前の前哨戦となったこともあり、参加選手も多くどの種目も非常に厳しいレースになりました。
その中にあってインディビジュアルでは他国の選手と終始競り合うレースも経験できて、下位ではありますがワールドカップでレースらしいレースをやっとすることができました。
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■2/27-3/5 World Championships スペイン Voi taull
バーティカル68位、インディビジュアル66位、チームレース22位
2年に1度の世界選手権、2019年の初出場は何もできないままに惨敗、21年はコロナで日本からの派遣中止、今回は3度目の挑戦として臨んだ選手権でした。チームレースでは憧れの藤川選手とペアを組ませていただいて、カナダやアメリカチームと良いレースをすることができました。
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インディビジュアルは日本勢4人の中で一番下位となってしまいましたが、2019年より遥かに内容のあるレースができ、納得と次への希望を持って終えることができました。
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■3/18-3/19 World cup#6 オーストリア Schladming
スプリント46位、バーティカル53位
ワールドカップツアー終盤戦がスタート。例年、終盤は参加選手が少なくなる傾向があるのでポイント獲得へはここからが本番。とにかくミスなく自分のレースをやり切ること、僅かなチャンスでも逃さないことに集中をしました。
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結果、無事にスプリントで今季初となる50位以内達成でポイントも獲得できました。
■4/11-4/15 World cup#7 ノルウェー Tromso
スプリント47位、インディビジュアル45位、バーティカル47位、ミックスリレー11位
今シーズンを締めくくる最終戦は約10年ぶりの開催となる北欧のノルウェー。11月に始まったシーズン、ここまで途切れなくレースが続き、その間に4回のヨーロッパとの往復をこなしてきました。
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正直なところ、レースも移動も消耗の連続なので、この頃にはシーズン全体を通じてベストなコンディションを維持し続けることへの難しさを感じていました。回復期間や鍛えるべき時間をどうやってシーズンの中に計画し組み込んでいくのか、そのあたりはあらためて今後の課題ですが、それがわかったこともやはり経験です。
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最終戦の3種目はその時点でのベストを出し尽くして競技できたと思います。
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インディビジュアルはその中でも特に良く出し切ることができましたし、スプリントも今シーズンで一番うまくいったレースでした。
■ISMF 年間ランキング
総合94位
種目別:スプリント78位、バーティカル85位、インディビジュアル92位
■今シーズンを終えて、今後に思うこと
コロナ禍がひとつの区切りを迎え、まずは3年ぶりにワールドカップサーキットに帰ってくることが出来たことに何と言っても安堵と幸せを感じました。この3年間の間にSKIMOはオリンピックの種目に決まり、日本でもナショナルチームが結成されるなど、競技を取り巻く環境が大きく変わりました。
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今年で44歳は遅すぎる挑戦かもしれませんが、小さい頃から夢としか思っていなかったオリンピックとの時間の中に身を置けていることは現実ですし、まずはその流れの中に1分1秒でも長く居続けることが目標です。
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具体的には途切れなく日本のナショナルチームに選ばれ続けること。
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それはもちろん最低限の課題ではあるのですが、そこに居ることが全てのスタートであり、また厳しく言えばそこに居られなくなった時点でオリンピックとの夢の時間は終わりだと覚悟しています。
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また今季はとても大切なことにも気づかされたシーズンになりました。
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オリンピックで実施されるのはスプリントとミックスリレーですが、やはり私が最も情熱をかたむけられるのはインディビジュアルであることをあらためて感じました。
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オリンピック路線とは矛盾しているかもしれませんが、もともと私が憧れたのは壮大な雪山を縦横無尽に駆け巡る山岳スキーです。
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スプリントやリレーも面白いですが、私にはやはりインディビジュアルが一番であることは間違いないところです。
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だから私は私はらしく、一番好きなインディビジュアルを軸にスプリントやリレーにも取り組んでいくことにします。中途半端かもしれませんが、それが私の出した答えであり、終わりの時に後悔を残さない選択です。
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22/23は今後の方向性、しなくてはならない覚悟がはっきりと見えたシーズンでした。すでに23/24シーズンに向けた時間も動き出しています。
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引き続き、自分のSKIMOをより高みに押し上げ、目指す時間を1分1秒でも長くできるように頑張りたいと思います。
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最後になりますが、今季もたくさんの応援やサポートをいただきました皆様に心から『ありがとうございました!』の感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
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