CⅩⅩⅩⅩⅤ「ひとつのバガテル」2015を見る聴く
りんごが並ぶ、他の果物も、黒画面、この果物に何を見た、果物屋の中に、トマト、娘の買い物、果物屋の親父、支払って、落ちたりんご、拾う親父、娘に差しだして、団地の中、紅葉した木々、緑道、歩き行く娘、近代の迷宮、アパート、部屋の中、おばあさん、買い物をテーブルに、食事、窓の外には、バットを振る少年、部屋の中のピアノ、弾き始める主人公、アパートの横を歩く少女、これは、何時なのだろうか、同じ日か、誰かの幻想か、同級生だろうか、女子高生が自転車で現れて、語らって、彼女は学校に、主人公は、何をしているのだろう、学校を止めたのか、友人が張り紙があったと知らせる、ゴミ置き場、張り紙が、おばあさんは働き口は見つかったかと、バイトをして居たが、辞めてしまったらしい、先ほどのメモを見ていたから、当てがあると、こうして、面接、男が二人、傲慢に、音楽は好きかと、選んでかけてくれれば良いのだと、パッションだと、歩く少女、緑の中、団地の裏庭とも、路地とも、迷路の様な世界、夜、おばあさんは着飾って仕事に、何の仕事なのだろうか、娘は何故に此処に居るのだろうか、アパートの外から夜景、灯りのついた窓たち、そして、少女は仕事場に、面接した男の一人はカメラマン、モデルたち、天使の姿、色彩、光、撮影、音楽をかけてと、駄目だと、次にはこれだと、身勝手カメラマン、音楽に乘って撮影したいらしい、パッションだ、ゴダールだ、天使のモデルたちのアップ、煽りのカメラ、陰影、色彩、芸術、淡々とレコードをかけるばかりの主人公、これが仕事、何処か機械仕掛け、撮影の中女が走り込んでくる、スタッフに捕まえられて追われる女、カメラマンとの関係は果たして、時に現れる黒画面は映画と云う機械仕掛けの自覚を見せ付けて、歩く少女、部屋の中の少女もまた機械仕掛け、少女の歩きの中、公園でギターを弾く青年、ダンスする娘、カップル、彼等もまた機械仕掛け、部屋のおばあさん、食事、現れる孫、この人は誰だと息子、同居人とおばあさん、おばあさんは痴呆か、孫を可愛がるおばあさんは、金を差しだす、帰って行く孫、本当の孫なのだろうか、主人公は孫では無いのか、主人公が、タンスの中を見ていると、過去の写真、おばあさんの過去、そんな中に札束が、人がやって来た、周章てて戻す主人公、音楽を聴く主人公、現れた孫息子が、音声を切り替えて、札束がある筈だと、狙っているのだ、おばあさんは夜仕事に、少女は、昼間に歩き、巡る、公園のダンスする娘とクラリネットか、笛か、演奏する男、友人の女子高生、アパートのある部屋の中にピアノが、知り合いの部屋、訪ねる二人、誰も居ない、この部屋は、一体、主人公に手紙が、ピアノをあげますと、団地のアパートの番号が書かれて、だが、何処にもそんな番号の塔は無い、友人に聴くのだが、友人もまたおばあさんに聞いて見ると、戻った部屋、おばあさんは、部屋中を散らかして、無くなったのだと、何が、札束だろうか、孫息子が持ち出したか、疑われたか、果物屋、買い物、親父、その帰り道、バットを振る孫息子、りんごを投げつけて、撃ち飛ばす孫息子、そこにカメラマンの男とは飛び込んで来た女が仲良く手を組んで歩いて来る、見ていて、入り込み、キャッチャー役、そして次にはバットを手にして、孫息子がピッチャーに、主人公は、キャッチャーの位地に、女は見守っている、これまた、カラクリゲーム、遊戯、空回り、果物は砕け散るばかり、部屋に戻って、ピアノはわたしのものだと主人公、何故だとおばあさん、確かに、ピアノを差し上げるとの手紙は届いた、過去に演奏会に出られなかった主人公、ピアニストを夢見る主人公、ピアノはわたしのものだ、こうして、歩き、闇の中、トンネルだろうか、何処に繋がる、何処にも、いや、舞台に、ピアノが置かれて、なんと、演奏会用の衣装までも、衣装を横に置いて、ピアノの前に座って、演奏を始める、だれも居ない客席、弾き終わり、彼女は舞台下に、階段を降り、そして、客席の中の階段を登り、会場の上の出入り口から去って行く、去りはしない、何処までも、時空間は連なっていて、この連なりの外は無いのだ、そもそもに於いて、主人公は、おばあさんの反復では無かったか、過去のおばあさんの夢が眼前に現れているのだ、主人公として、いや、主人公の未来がおばあさん、夜に着飾って、街を彷徨う、天使たちとダンサーの中を、その彷徨いが、昼の主人公、紅葉の中、緑の中、団地の中、赤い果物の前、赤に何を見た、バットで砕け散るりんご、赤い幻は黒画面に切り取られて、砕き散った夢の中に漂うばかり、
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