新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、東京23区で年代別の接種率を公表した18区のうち14区が、50代の1回目の接種率が5割に満たないことが7日、産経新聞の調べで分かった。40代では17区が5割未満だった。感染拡大の「第5波」で40〜50代の重症者が増加する中、この年代のワクチン接種が進んでおらず、自治体から供給不足を指摘する声が相次いでいる。

23区に聞き取り調査を実施し、18区が7月下旬〜今月6日時点の年代別の接種率を公表。5区は65歳以上や64歳以下の接種率を回答したが、詳細については集計中や非公表だった。

その結果、50代の1回目の接種率は墨田区の65・1%が最も高く、千代田区、台東区、江東区も5割を超えた。港区など6区が4割台、中央区など6区が3割台。十分な抗体を得るのに必要とされる2回目の接種率は、千代田区、墨田区、豊島区、板橋区が2割を超えていた。

40代の1回目の接種率で、5割を超えたのは58・3%の墨田区のみ。2回目の接種率は、12区が1割未満だった。一方、65歳以上の1回目の接種率は一部の年代を除き23区全てで8割を超え、2回目も8区では8割を超えていた。

多くの自治体は65歳以上の優先接種に続き、年代の高い順から接種を始めている。ただ、墨田区と渋谷区を除く21区は、ワクチンの供給が「不足」か「十分とはいえない」などと回答した。

都によると、4日時点の重症者115人のうち、50代が48人、40代が22人で合わせて6割以上を占める。一方で、ワクチン接種が進んだ60代以上の割合は減少傾向にある。都の感染状況を分析する専門家は「40代以上に対し、ワクチン接種は重症化の予防効果が期待されていることを啓発する必要がある」としている。