![](http://image.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_3028_1.gif)
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●熟語の読み・一字訓読(その247)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<薛:セツ、かわらよもぎ、はますげ>
・かわらよもぎ:音熟語見当たらず。
・はますげ:音熟語見当たらず。
・その他:薛越(セツエツ)=屑越(セツエツ)=(大漢和)あなどる、分を越える、また、散らかし棄てる。(大字源)気ままにでたらめをすること。
→「薛」にこの種の意味はないようなので、何らかの人名や地名による故事と思われるが、調べた辞典類の中では見当たらず由来・語源など不詳・・・どなたかわかる方がいたら教えてください・・・。
<薇:ビ、のえんどう、ぜんまい>
・のえんどう:薇蕨(ビケツ)=のえんどうとわらび、蕨薇(ケツビ)=わらびとのえんどう、薇藿(ビカク)=のえんどうと豆の葉=粗食をいう(*「藿」は対象外。ただし、藿→“霍”(対象内)で使われることがある。例:「漿酒霍肉」・・・この「霍」は藿(豆の葉)の意味。
・ぜんまい:(邦語)「薇(ぜんまい)仕掛け」「薇秤(ぜんまいばかり)」
・その他:紫薇(シビ、さるすべり)、薇花(ビカ)=さるすべり、白薇・薇草=ふなばらそう、薔薇(ショウビ・ソウビ、ばら)
<薜:ハク、ヘイ、かずら、まさきのかずら>*ハク(呉音)ヘイ(漢音)*「ハク」音熟語見当たらず。
・かずら、まさきのかずら:薜幄(ヘイアク)、薜衣、薜帷、薜屋、薜蘿(ヘイラ)=①まさきのかずらとつたかずら=薜茘(ヘイレイ・ヘイリ)と女蘿=蘿薜 ②転じて、隠者の棲居をいう。 ③かずらで織った布 *薜茘は「つる性植物(くいいたび)の名」とあった。
*大漢和では「薜」は“かおりかずら”の事と説明、大字源では“くいいたび”として説明している。「まさきのかずら≒かおりかずら」らしいが、不詳。
<蕷:ヨ、やまのいも、じねんじょ>*漢検2「じねんじょ」訓読み掲載ナシ。
・やまのいも、じねんじょ:薯蕷(ショヨ、やまのいも)
<薺::ザイ、セイ、なずな、はまびし>*ザイ(呉音)セイ(漢音)*「ゼイ」音熟語見当たらず。
・なずな:薺塩=なずなと塩、粗末な食事、薺菜=なずな、薺麦=なずなと麦・・・
・はまびし:(対象内漢字では熟語見当たらず。しかも、「はまびし」の意味のときは「シ、ジ」音の模様。よって、省略。)
・その他:薺蒿(セイコウ)=草の名(よめな、うわぎ)
👍👍👍 🐒 👍👍👍
孟子(諸橋先生の中国古典名言集 111ページ)
一薜居州、独り宋王を如何せん とありますが。
宋王の周りに悪い臣がいっぱいいて、私、薜居州、ひとりだけではどうしようもありません、と嘆いたもの。
・本熟語の出典は辞典によれば、荀子の王制篇のようなのですが、この「薛越」の「薛」が人名に由来する故事成語の類から来ているのかどうかがよくわからなかったのです。(「薛」のつく人名、地名はいくつかあるのですが・・・
)もしかしたら、ご指摘の「薜居州」という人にかかわる故事などからくる熟語なんでしょうかね?
・とても参考になりました。ありがとうございました。