河津町に
木村屋敷と呼ばれる古い建物があります。この屋敷は和洋折衷建築の本館と和風の茶室からなる建物からなり、敷地の面積は3千坪。庭は回遊式の庭園になっています。
旧三菱財閥の木村久寿弥太氏の隠れ家として昭和初期に建てられたそうなのですが、管理人さんから意外な話を聞くことができました。
本館の1階は洋風の応接間と食堂、現在は見学者の喫茶スペースとして使われています。(カフェメニューもあるので喫茶だけでも可能です)
床には箱根の寄木細工が張られ、暖炉は温泉を使ったオンドルです。
建物を裏から見るとよくわかるのですが、欧風の山荘をモチーフにして設計されています。
洋風ですが、屋根は瓦葺き。しかも普通の瓦ではなく高価な磁器を使っています。何でも月明かりを良く反射して夜はすごく綺麗だとか。
二階は寝室などの居住区で和風造り、使用されている木材は今では手に入れるのが難しい高級材だそうです。ここで、天井から下がっている電球の笠に注目、笠に描かれた模様は菊。そうです、実はこの建物は皇族を迎えるために作られた別邸。
管理人さんの話によると、天城の山(昔は天皇家の直轄地だった)で金鉱開発を行うために、皇族と関係が深かった旧三菱財閥が用意した別邸では? とのことです。
付嘱の茶室は高貴な方を迎えていた特徴が良くわかります。普通の茶室には躙口(にじりぐち)と呼ばれる小さな潜り戸があるのですが、ここでは大きな玄関になっています。これは皇族方に頭を下げさせるのは失礼だと考え、このような造りにしたそうです。
主に海外からの賓客に接するため、椅子席の部屋も作られています。壁はモルタルのようなのですが、何と金箔が一緒に塗りこめられています!
茶室は使用している材料こそ高価ですが、造り自体は質素で落ち着けるくつろぎのの間を意識して設計されています。
庭園には滝も作られています(当時は2本あったようです) 名のある庭師が設計したようですが詳細はわからないそうです。
色々謎が多い屋敷で管理人さんも調べているそうなので、この後新たな発見があるかもしれませんね。
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