業務日誌

旅行会社に勤めていた30代男の雑記・業務日誌

京都・東寺

2009-07-30 | 京都
今回の旅の締めくくりは、世界遺産の「東寺」。




瓢箪池から見る五重塔。
京都のシンボルとしてそびえ立つ東寺の五重塔は、日本に現存する古塔で最も高いとのこと。
間近で見上げるのも圧巻だけど、離れて見ても堂々として美しい。

講堂の立体曼荼羅も迫力があってすごい。こちらも必見。





京都・宿坊に泊まる

2009-07-26 | 京都
京都2日目の宿は、宿坊・智積院会館。ここは朝の勤行への参加が義務になっている。

       

部屋は10畳の和室。エアコンやTVもあり広くて清潔で快適。トイレ・洗面所・浴室は別。部屋には歯ブラシ・タオル・浴衣の備品もあり、テーブルの上には、お茶セットとお茶菓子が用意されていた。ポットには湯も沸いている。各客室の入口には、歓迎○○様の札も。風呂は1階で共同。湯船はそこそこ広くて、シャンプーやボディーソープ、ドライヤーは揃っている。今回貸切状態でゆっくり浸かれた。門限は22時。風呂は22時半まで。朝食が付いて6,500円はかなりお得。チェックインの際、オリジナルの手ぬぐいがもらえる。フロントの対応も非常に親切で好感がもてる。

朝の勤行は6時から始まる。5時半に館内放送がかかり、5時45分にフロントへ集合。今回の宿泊者は3組で、皆一人旅だった。僧侶の方が迎えに来て一緒に金堂へと案内してくれる。金堂では修行僧あわせて40名くらいの僧侶が一斉にお経を唱える。金堂に力強く響き渡るさまは荘厳なものだった。お焼香もさせていただく。約40分の読経が終り、続いて隣の明王殿で行われる護摩祈祷では、勢い良く炎が上がる中で太鼓を叩きながらお経が唱えられる。壮観でとても神秘的な感じだった。ここでもお焼香をさせていただく。終了後、お守りをいただいた。

       

お勤めの後は、院内の名勝庭園と国宝障壁画を僧侶の方が案内してくれる。
書院では庭を眺めながらお茶とお菓子(煎餅)をいただきながら話を聞く。

          

そしてぐるっとまわりながら豪華な襖絵を一通り見た後、最後に収蔵庫で長谷川等伯の国宝障壁画を鑑賞。僧侶がいろんなエピソードとともに解説してくれるのでとても興味深い。絵の素晴らしさと技術には驚くばかり。そして最後にお勤めに参加した宿泊者だけにみせてくれるというある絵の仕掛けを見せてくれた。これには感動。これは宿泊者だけの特権なので言わないように、とのことなので秘密。
これで朝のお勤めは終了で、食事処へ移動して宿泊者全員で朝食。いろいろと話をしながらいただきます。朝食は美味しく、特に湯豆腐がとても美味。

早朝から充実した時を過ごせて心もすっきり。
貴重な体験ができて、かなりおすすめ。

京都・真の禅宗庭園

2009-07-25 | 京都
坐禅を終えて向った先は、臨済宗大徳寺の塔頭「龍源院」。以前からここの枯山水は気になっていたところ。今回坐禅で一緒だった方と一緒に拝観しに行くことに。バスで一本。大徳寺へと向う。

方丈をそれぞれ趣の異なる4つの庭がぐるりと囲んでいる。小さくシンプルでありながらもそれ以上に広がりやパワーに満ち溢れる感じのする素晴らしい庭園。ついつい長居してしまう・・・。



方丈前庭の一枝坦(いっしだん)
白砂は大海原を現す。そこに鶴島、亀島、そして仙人の住む不老長寿の島・蓬莱山を配置。


 
阿吽(あうん)の石庭                 東滴壺(とうてきこ)

右奥が阿の石、左手前が吽の石。阿吽とは吸う息と吐く息のこと。天と地、陰と陽、男と女、電気の+-など、切り離すことの出来ない宇宙の真理を表現。2つが調和しながら1つの状態を作り出していくと言う考え、なるほどと思う。
東滴壺は、日本で最も小さい石庭とのこと。一滴の波紋が大海原に繋がる。一滴の積み重ねの大切さを表現。
有限のなかにも無限の広がり。特にこの2つの庭はなんだか今の自分にずっしり語りかけてくる感じで、心に染みた。


方丈室中の襖絵。
こちらも何かを語りかけているよう。



龍吟庭
杉苔は大海原を表す、石組みが陸地を表す。





龍源院、かなりいい。

京都でTHE禅

2009-07-20 | 京都
忙しい毎日からちょっと離れたい、心を落ち着かせたい、自分を引き締めたい、そんな思いから京都の寺へプチ修行へ出かけた。初坐禅。短時間ではなくある程度長い回数できるところを選んだつもりだったが、まさに正解で、かなり本格的で厳しいものであった。

夕方、名古屋駅から高速バスで京都へ。駅近くのゲストハウスへチェックイン。お気に入りの「第一旭」でラーメンを食べ、銭湯へ行って、初日は明日に備えて早々と就寝。
翌朝、バスで南禅寺禅センター・光雲寺へ向う。ここは臨済宗南禅寺派のお寺だ。

      

坐禅会は朝8時半より始まる。
まずは作務という境内の掃除からで、庭園の池の周りの草取りを30分くらいかけて行う。蒸し暑い。汗が吹き出る。常連の方々は既に汗びっしょりになりながら作業を行っていた。
作務を終えると、休憩の後、お堂へ移動して坐禅の仕方や流れ、作法など一通りの指導・説明を受ける。お堂へ入るときにも出るときにもきちんと作法がある。

目は半眼。座布団の上に両膝尻の三点で大地に座るつもりで。そして腹式呼吸。息を整え深く吸って深く長く吐く。無になること。まわりと空気が一体化して自分とまわりが同化する。呼吸に集中し、数を数える。いーちー、にーい・・・。雑念があらわれたらまた1から数えなおす。とにかく呼吸に集中すること・・・。

10時から約30分×2回の午前の坐禅が始まる。鐘の合図で開始。線香が燃え尽きるまでのおよそ30分間。身動きせずひたすら集中する。静寂の中、蝉の鳴き声だけが聞こえる。時折り吹き抜ける風が心地いい。
坐禅中は呼吸に集中するも次々に雑念が現れる。無になることの難しさ。しかも足が痺れて痛くなってくる。耐える。とにかく我慢・・・。鐘の合図で終了。すかさず足をほぐし次の坐禅の準備をする。線香がたかれ鐘の合図で2回目が開始される。

坐禅が終ると今度は斎座といって昼食(釜揚げうどん)。ここにも厳しい作法がある。
とにかく無駄がない。そして会話もない。和やかな雰囲気など一切ない。ずるずるとうどんをそそる音だけが響き渡る。ピーンと張り詰めた空気の中、早々と一斉に昼食を終える。今回の体験で一番驚かされたのはこの昼食だった。

しばしの休憩の後、またまたお堂へ。
次はお経をあげ、提唱という法話を住職から聞く。勿論坐禅の姿勢で。
その前に初心者は早めに集合。お経の本と書のコピーが配られ、指導・説明を受ける。

12時前、提唱開始。坐禅を組みながら該当個所を皆に合わせて読み上げる。凄い迫力・・・。
30~40分くらいだったか、提唱が終ると、続いて午後の坐禅に入る。約1時間。午前の坐禅と比べると、いくぶん足も慣れた感じでひどく痛くなることはなかったが、それでもじっと身動きもせず集中することはかなり大変なこと。後半は、警策で心身を正してもらった。板で肩をたたいてもらうアレ。志願制で、たたいてもらう前には合掌を行う。片方2回ずつ。快音が堂内に響き渡る。引き締まる。。
それでも午後の坐禅は午前に比べるとあっという間に終る感覚だったから、不思議。しかしながら雑念は次から次へと現れる。呼吸に集中するも結局今回の坐禅では10までも数えられなかった。なんと難しいこと。
小休止の間は、お堂を出て足をストレッチする。常連の方いわく、休憩中は、足のためになるべく歩き回るといいという。確かに坐禅は慣れないと足にかなり負担がかかる。

      

坐禅が終ると、今度はお堂から出て、茶礼。
庭園が見える広間へ移動し、抹茶とお菓子をいただきながら住職のお話を聞く。
その後、場所を変えて初心者は順番に一対一での住職との対話がある。

こんな感じで坐禅会は終了。
長いようで短いようで、意外と時間が経つのは早いもの。
有意義な時間が過ごせたと思う。

      

      

今回の坐禅会は、朝8時半から午後2時半頃まで寺の中で過ごすというもの。
坐禅だけでなく法話や掃除の作務や食事などを行い、修行の一部を体験できる。
時間をかけて禅を体験させてもらえる非常に内容の濃いもの。
とにかく予想以上に厳しいもので、張り詰めた空気の中、緊張の連続だったが、終えてみるとなんだかとてもすがすがしい気分に。非日常の体験。貴重な体験ができたと思う。
禅の修行は厳しい。でもまた体験してみたいと思うのであった。