気がつけば思い出Ⅱ

日々の忙しさの中でフッと気がついた時はもう
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蟷螂をお題にした母の句~カマキリの強がり

2020年09月15日 | 伊代の俳句

はむぱんさんの写真/写真ACから

斧揚げし螳螂に視る己れかな

季語:蟷螂(カマキリ) 秋

朝、庭掃除をしていたら、塀をよじ登るカマキリがいた。

確か母の句にカマキリ(螳螂)を詠ったものがあったと思い、
写真を撮ろうと近くに寄っても逃げようとしなかった。

この句は合同句集【座唱Ⅳ】に載せて在ったが、先ず(螳螂)が読めなかった。

2文字とも虫偏なので(虫)には違いない・・・そして斧・・・もしかしてと思った。

調べるとやはり(カマキリ)だった。

また(とうろう)とも読むらしい。こちらは旁のみで読めなくもない。

同じ四文字だけれど、母の句はカマキリと読んだほうがしっくりくるのではないだろうか?

螳螂の斧(とうろうのおの)という言葉もあった。

《カマキリが前あしを上げて、大きな車の進行を止めようとする意から》弱小のものが、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことのたとえ。※Goo国語辞書

揚げるは(上下ではなく)高く揚げる意味で、カマキリがとる威嚇のポーズを指していると思う。

実際は弱いくせに強がっているカマキリはまるで自分をみているようだ

と詠ったのだろう。

何だか・・・

本当は他人(ひと)を攻撃するなどとてもできない、

負けず嫌いで、強がりだった母の句らしい気がする。

 

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