157)官庁ダムの風力発電

 昨年12月に北京から大同にむかう途中、新しい光景に出会いました。官庁ダムの周囲に風力発電の巨大な風車が30基以上も並んでいたのです。8月末には影も形もなかったので、短期間に一斉に建てられたのでしょう。まだ稼働はしていないよう。
 山西省北部に発した桑干河は大同市の中央を西から東に横切り、河北省に入って洋河、壷流河と合流し、永定河と名を変えます。この永定河をせき止めているのが官庁ダムで、2つしかない北京の水ガメの1つです。
 北京の周囲には燕山山脈、大馬群山脈、河北省と山西省の境界には太行山の大山脈があります。桑干河・永定河が流れるのは、これらの山脈の切れ目で、その流域だけが低いのです。春先の強い西風が吹きだすのもこのルートで、中国では「風口」と呼びます。風力発電にとって絶好の立地ですね。
 その一方、この周辺は大同を含め石炭の大産地です。それを利用してたくさんの火力発電所が建設され、北京・天津へ送電し、電力需要の増大にあわせて現在も増強中です。風力発電の入り込む余地はないのではないかと、私は考えていました。
 中国はやるとなったら、やりますからね。石炭価格の国際的な高騰も後押しするでしょう。大同の住宅でも太陽熱による温水器が屋上にずらりと並んでいるのをみました。へたをすると、自然エネルギーの利用において日本は遅れをとるのではないでしょうか。
 【写真】官庁ダムの周辺に30基以上の風力発電がずらり。効率はいいはずだ。
 (2008年2月5日号)
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人力発電 (増田二三生)
2008-09-24 17:27:11
宇宙時代に優れた発電が必要である 人力発電は自転車のギヤ数を増やし鉄車輪を回して発電モーターを回す発電であるが電動アシストするとさらに発電しやすくなるかもしれない 宇宙でも役立つかもしれない
 
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