856話)建設作業がはじまる

2011年の春、土壌の凍結が融けるのを待って、整地作業がはじまりました。資金のことを考えても、少しずつ開発するのが望ましかったのですが、立ち木がなくなってしまった以上はいっきょに計画をすすめるしかありません。関係のない人たちに入り込まれ、耕作でもされたら、面倒を抱え込むことになります。

そのためにブルドーザ3台とショベル1台がフル回転しました。敷地内に高低差が最大で8mあります。1枚にならすとなると工事量が大きすぎます。大きく10枚前後に分けて、それぞれに潅漑しやすいように配置しました。

驚いたのは、測量にはじまり、設計・計画のほぼすべてを大同事務所の関係者が自分たちでやったことです。前中久行代表が「誰が設計したの?」ときいても、返事がありません。「よくできているよ!」と前中さんが言葉をたすと、武春珍所長が「自分たちでやりました。批判されるかと思って、返事をしませんでした」といって笑います。多少は経験を積んできたとはいっても、それまでは門外漢です。みんなで相談しながらすすめてきたのです。

郭宝青は事務所の運転手ですが、この期間はほとんど車に乗らず、測量をしたり、重機の指揮をとったりしていました。日本ではこういうことはなかなかできないと思います。うらやましい思いをもちました。
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