9月2日(日)、神奈川県鍼灸師会では初の試みとなる新人研修が行われました。
卒後3~5年くらいの方を対象としますが、学生からベテランまで参加していただき、医療者として身につけるべき素養を参加者全員で共有し、検討していく場を目指しています。
今回、グループワークという形で参加者は数グループに分かれ、日常臨床の中でよく出会う「めまい」をテーマに臨床推論していきました。気分はまるでドクターG(NHK)。
患者さんと施術者の会話(シナリオ)から内容を掴み、
(1)シナリオから考えられる事前診断を考えたり、またその事前診断に至るスキームを挙げ、
(2)事前診断に必要な身体診察を挙げ、
(3)最終的に各グループで考えた診断を発表していきます。
シナリオの内容も日常の診療の中でよくある会話形式で表現されているので気持ちも入りやすく、自分が思いついたことと他の先生が考えたことが異なっているときも「なるほど!」と思えたり、「なぜ?」と考えたり、いろいろな方向・角度から思考を巡らせることができました。
臨床において「治す」技術を身につけていくことはもちろん大切ですが、同じくらい「症状を聴き」、「身体診察」をして情報を集め、「いかに思考を巡らせることができるか」が大事だと思います。治療家・臨床家にとっての醍醐味です。
今回は2症例行いましたが、ただ臨床報告を聞き流す2例とは違い、グループで議論を交わして答えを導き出す経験は、きっと皆さんの頭の中に焼き付いて残っていると思いますし、その考え方は翌日からの臨床に役立てていることと思います。
今後も鍼灸院に訪れることの多い症状・疾患などで新人研修の実施を考えております。みなさんのご参加をお待ちしております。たくさん一緒に考えて、みんなで成長していきましょう!