JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

2023年訴えの多かったもの総括

2024-01-30 | 臨床・治療
新規の患者さんからの訴え(主訴)だけでなく、定期ケア・メンテナンスで通院中のリピート患者さんからの副訴も含めた訴えのまとめ(多かったもの)と潤天堂での施術ポイント

〇殿部、下肢の痛み・シビレ感

股関節周りの殿筋の施術で改善した方、腰にポイントを置いた施術で改善に向かった方、おなか側・鼡径部(腸腰筋)に加療して改善した方、足背の施術で改善した方など、改善に向かうポイントは人によって違うことが多々あった。要点はその人の日々の暮らし方・過ごし方にどういった姿勢が多いか、それによって負担のかかる部位はどこかなど推理・推察して施術ポイントを探ることが大事になる


〇腰痛

腰の治療点も、人によってそれぞれ違うことが多く、(広い範囲で)腰に直接施術点を求めてよくなるケースもあれば、殿部に求めてよくなる人、大腿部(外側・後側など)でよくなる人、足関節・足背の反応点でよくなる人さまざまだった。また、臥位での刺鍼ではあまり変化が出ず、坐位で刺鍼して初めて軽減した例もいくつかあった。施術姿勢は大事であると再認識したが、坐位での施術は脳貧血を誘発することがあるので十分注意しながら行う必要がある


〇頭痛・めまい・首肩こり

この3つは施術ポイントがカブることが多いので一緒に。
頭のどこが痛むのか、「頭頂部」なのか「前頭部」なのか「側頭部」なのかによって重きを置く刺鍼点が変わる。後頭下筋群はもちろん大事。刺鍼の深さも大事なことが多い。単刺なのか置鍼なのかも大事。
2023年に受けためまいの訴えはグルグル回転はなく、ほぼフワフワめまいだった。これも耳に近い側の頚部刺鍼点が良く効いた。首肩こりは仰臥位(あおむけ)・伏臥位(うつぶせ)だけでなく側臥位での側頚部刺鍼も加えた方が効果が長続きすることがよくみられた


〇眼に効かす・鼻に効かす・ノドに効かす

後頭部から首の付け根にかけてそれぞれ効かせる高さがあったりする。鍼で効くことが多いが、症状によっては多壮灸して初めて変化がみられることもあった


〇手関節痛(親指側・小指側※TFCC損傷のような)

割と局所だけの治療だけでも改善することが多かったが、その局所も「ピンポイントの反応点」を探すことが大事だった。うちではちょっとした小道具を使ってピンポイントで探している。
患側を下にした上肢内側への圧迫手根圧を加えてから腱鞘炎のような痛みが改善した場合も多々ある。


〇指の痛み

指直接の施術よりも、手背骨間筋の反応点を探って施術すると好転することが多かった


〇肘痛

今までもテニス肘などのような外側上顆の痛みや、内側部の痛みに対し圧痛点だけでなく前腕にもポイントを置いた施術を行なっていたが、これもまた手背骨間筋の反応を見て丁寧に行うことで加速した改善が見られた例が多かった


〇肩痛・五十肩など

(拘縮に至っていない)痛みによる可動域制限などに対し、腱板部や三角筋、肩甲骨周りの筋肉に対する施術も大事だが、母指球の圧痛を探って刺鍼・施灸したり、手背骨間反応点に施術して初めて好転した例がいくつもあった。

※上記の3つは、指を使う作業が多いことによる現場の疲労が、上(肘や肩)や下(指)に広がっていることもある感じがする


〇ひざ痛

お皿(膝蓋骨)周りの鍼灸も大事だが、膝の理学テストではほとんど所見が取れないことも多かった。遠隔となる中・小殿筋や梨状筋など股関節周りや、鼡径部にポイントがあることもあった。また、内側の痛みがある方で「側臥位で寝て膝を合わせると痛い」などの訴えがあるときは伏在神経絞扼障害(ハンター管症候群)も視野に入れた施術ポイントを入れると改善に向かうことが何度かあった


ここ数年は施術手段として「鍼」だけでなく「灸」を併用することによって、鍼だけの時よりもむくみが早く改善したり、痛みが早く引くようになる方が増えた。また、刺鍼後の違和感や鈍痛感なども刺鍼点に灸を行なっておくことで出にくくなることも多々あった


〇不妊・子宝鍼灸について

3カ月以上育卵鍼灸で通院・加療されている方で体外受精に進んでいる方の妊娠報告や出産報告をいただいたことについては毎年と比べて大きな差はありませんでしたが、2023年は人工授精で結果が出た方はいらっしゃいませんでした。その代わり20代・30代の方でタイミング法で妊娠を継続されている方が複数人いることが嬉しい。
不妊・子宝鍼灸では卵巣や子宮の血流を促す施術を行うが、それだけではなく、からだ全体の底上げをするべく全身総合的な施術も行うので、その人が今まで抱えていた症状が改善されてくることがよく見受けられます(PMSや冷え症の改善など)。
肩こりや目の疲れ、腰痛・腰重などは、お仕事内容(PC・坐業)や日常生活における作業姿勢・酷使から起こることが多いので、週1回の通院の中でこれらの緊張を解くような施術も加え、からだリセットをこまめにかけられることも利点となります

施術中にリラックスできてからだが軽くなることで、ストレスの軽減につなげていただけたという声もお聞きすることができました

※美容鍼についてはお問い合わせも多いので、あらためて記事を投稿いたします


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 代田文彦先生 | トップ | 学会-神経疾患・症状に対する... »
最新の画像もっと見る