(散歩にて)
お彼岸の時期だったから、という訳ではないのでしょうが、「仏教の思想」(インド編4巻、中国編4巻、
日本編4巻、計12巻)による仏教思想の勉強ですが、中国浄土が終わり、これで中国編4巻までの整理が終わりました。
もともと、日本の仏教史的なことが勉強したくて、始めた仏教思想の勉強ですが、選んだ本が私のレベルでは難しすぎたようで、
2回通しで読みましたが、全く理解できず、頭に残らなくて、今度はノートを取って、さらにそれをPC(word)に入力して
という作業を始めています。
その作業が、中国編(天台・華厳・中国禅・中国浄土)4巻まで終わった訳です。
で、中国仏教理解できたか?というとこれが???ですが、概要としてはこんなことなんでしょうか。
中国仏教はここでの、4つの宗派(思想)以外にも多くの宗派がありますが、4つの宗派はいずれも大乗仏教思想による
宗派です。したがって、基本の経典は『般若経』ということになり、その根本思想は「空」です。
では、「空」とは何かということになるのですが、それは「無(何もない)」ということではありません。何もない
ということではなく、固定した実体がないこと(まさに諸行無常)、精神的には固定した考えを持たない「こだわらない、執着しない」
というような意味合いをもっています。
・・・と、なんじゃそら?、となりますが、私の説明では全く不十分であり、理解不能と思いますが、いまだに私も
よく分かっていません。おそらく、私の説明より、ネットで調べていただいた方が良いかと思いますが、どうか、???の
世界に深く入らない方が良いかとも思います。
前置きが長くなりましたが、4つの宗派の概要に戻ります。この『般若経』の「空」思想を基本として、4つの宗派の思想が
形成されていると、まずはご理解ください。それでは、個々の宗派の私の理解の簡単な説明です。
その1「天台宗」は、基本の経典を『法華経(ほけきょう)』としており、天台智顗(ちぎ)が確立した宗派です。
その思想は「人は生まれながらにして仏性を持っている(仏様になる資格を持っているといった意味合い)」というものです。
つまりは「人は誰でも仏さんになれるんだ!」という訳です。だから、一生懸命修行をしなさいということで、天台宗では
「止観(しかん)」(修行の方法のことで、主な著書に弟子が天台智顗の教えを整理した『摩訶止観(まかしかん)』がある)が
特に重視され、その主な方法を「常住三昧」と言い、それは我々が一般に知っている、「念仏」や「坐禅」などです。
その2「華厳宗」は、基本の経典を『華厳経(けごんきょう)』としており、その思想の基本は、天台宗と同じで、
「人は生まれながらにして仏性を持っている」というものです。ただ、天台との根本的な違いは、「今の人はすでに仏なのだ」
と、天台をさらに一歩進めた思想となっている点です。したがって、華厳では修行は重視されません。
以上、天台と華厳は兄弟のような思想であり、中国天台宗はやがて分派し、その一派は華厳と同じような思想体系を形成していきます。
また、天台の『法華経』は、最澄(伝教大師)により日本にもたらされ、日本天台宗として、その後の鎌倉仏教などの成立の基本思想と
なっていきます。また、日本天台は華厳とも結び、「天台本覚(ほんがく)思想」として中国天台と中国華厳の両者の思想統合を日本にて
果たすこととなります。
また日本天台は空海のもたらした「密教」とも統合され、天台密教(台密)、華厳密教(厳密)へと展開されて行きます。
以上、簡単にまとめたいと思いましたが、かなり長くなりましたので、中国禅と中国浄土は明日以降で、ということにしたいと思います。