無名会9月2010年9月21日発行
ななかまど
二十韻「八月
八月のかの八月に戻される 玉木 祐
橋の影濃き水の澄む川 古賀直子
良夜には風のかそけく吹くならん おおた六魚
誰が弾くやらピアノの調べ 藤尾 薫
ウ
優しさを心に貯金しておこう 祐
好きと言われて好きと答えて 直
なんのその新幹線で通う恋 薫
裏も表も表も裏も 魚
五線譜の踊っているぞ夏の雲 祐
平和の鐘を聞きて冷酒 祐
ナオ
今日野党明日は与党という御仁 直
森の暗闇蠢きており 祐
あの人はドンファンなみの恋上手 薫
鋭き鷹のように攫われ 直
新雪に月照らしいて兼六園 薫
吸い口匂う懐石の椀 直
ナウ
得意げに亭主自慢の一品で 薫
名残の雁は山陰に消え 魚
夢の須磨潮騒に散る花の色 魚
ひとり辿れば暮れ遅き道 執筆
2010年 9月4日首尾 於関戸公民館
「西鶴忌」
西鶴忌ほくろに伸びるしらが哉 六魚
鏡眺める無聊長き夜 薫
窓の外のら猫よぎる月満ちて 祐
テレビ画面にどっと喚声 直子
ウ
イチローのバットに球は放たれる 魚
二人で食事たこ焼き拉麺 薫
駆け落ちの船場こいさん我が儘で 祐
幼顔してはや子沢山 直
強弓の鎮西八郎鯨射る 魚
ピノキオ逃れ冬枯れの島 薫
ナオ
ふるさとが世界遺産になるそうな 直
十字架首に山越えの旅 祐
僧ひとり想いを秘めて写本する 薫
デカメロンにはオレンジの恋 魚
生ビール乾杯続く庭に月 直
気になっている演説の人 祐
ナウ
少林寺拳法決め手勇ましく 薫
亀の鳴く声おさまりし頃 魚
願わくばいくさなき世に花よ咲け 直
陽炎のなか橋渡りゆく 祐
2010年9月4日より10日満尾
「海の旅」
海の旅したことなくて曼珠沙華 玉木 祐
つるつる啜る新そばの味 おおた 六魚
夕されば秋の狩場に月さして 藤尾 薫
すとんと落ちる紙の飛行機 古賀 直子
ウ
空間は青に塗りこめゴッホ真似 祐
天才的でそこが好きです 實
わたくしも財布も彼に掏られたの 直
二都物語今読みなおし 薫
シャンソンの名曲流れパリー祭 直
アイスクリームを奢る爺様 魚
ナオ
断髪の侍闊歩する銀座 祐
女系家族が勢揃いして 薫
恋人はあちらこちらで鉢合わせ 實
熱燗の好みちゃんとのみ込み 魚
月中天照らす狸の腹鼓 實
三下がりなる三の糸切れ 祐
ナウ
悪源太儀平の段読みすすみ 魚
津軽の果てに帰る白鳥 薫
花吹雪浴びて介護のバスが着き 直
ゴム風船を飛ばす少年 實
2010年9月19日首尾 於 関戸公民館
ジンジャー
(十余年かかって今年初めて咲きました。)
ななかまど
二十韻「八月
八月のかの八月に戻される 玉木 祐
橋の影濃き水の澄む川 古賀直子
良夜には風のかそけく吹くならん おおた六魚
誰が弾くやらピアノの調べ 藤尾 薫
ウ
優しさを心に貯金しておこう 祐
好きと言われて好きと答えて 直
なんのその新幹線で通う恋 薫
裏も表も表も裏も 魚
五線譜の踊っているぞ夏の雲 祐
平和の鐘を聞きて冷酒 祐
ナオ
今日野党明日は与党という御仁 直
森の暗闇蠢きており 祐
あの人はドンファンなみの恋上手 薫
鋭き鷹のように攫われ 直
新雪に月照らしいて兼六園 薫
吸い口匂う懐石の椀 直
ナウ
得意げに亭主自慢の一品で 薫
名残の雁は山陰に消え 魚
夢の須磨潮騒に散る花の色 魚
ひとり辿れば暮れ遅き道 執筆
2010年 9月4日首尾 於関戸公民館
「西鶴忌」
西鶴忌ほくろに伸びるしらが哉 六魚
鏡眺める無聊長き夜 薫
窓の外のら猫よぎる月満ちて 祐
テレビ画面にどっと喚声 直子
ウ
イチローのバットに球は放たれる 魚
二人で食事たこ焼き拉麺 薫
駆け落ちの船場こいさん我が儘で 祐
幼顔してはや子沢山 直
強弓の鎮西八郎鯨射る 魚
ピノキオ逃れ冬枯れの島 薫
ナオ
ふるさとが世界遺産になるそうな 直
十字架首に山越えの旅 祐
僧ひとり想いを秘めて写本する 薫
デカメロンにはオレンジの恋 魚
生ビール乾杯続く庭に月 直
気になっている演説の人 祐
ナウ
少林寺拳法決め手勇ましく 薫
亀の鳴く声おさまりし頃 魚
願わくばいくさなき世に花よ咲け 直
陽炎のなか橋渡りゆく 祐
2010年9月4日より10日満尾
「海の旅」
海の旅したことなくて曼珠沙華 玉木 祐
つるつる啜る新そばの味 おおた 六魚
夕されば秋の狩場に月さして 藤尾 薫
すとんと落ちる紙の飛行機 古賀 直子
ウ
空間は青に塗りこめゴッホ真似 祐
天才的でそこが好きです 實
わたくしも財布も彼に掏られたの 直
二都物語今読みなおし 薫
シャンソンの名曲流れパリー祭 直
アイスクリームを奢る爺様 魚
ナオ
断髪の侍闊歩する銀座 祐
女系家族が勢揃いして 薫
恋人はあちらこちらで鉢合わせ 實
熱燗の好みちゃんとのみ込み 魚
月中天照らす狸の腹鼓 實
三下がりなる三の糸切れ 祐
ナウ
悪源太儀平の段読みすすみ 魚
津軽の果てに帰る白鳥 薫
花吹雪浴びて介護のバスが着き 直
ゴム風船を飛ばす少年 實
2010年9月19日首尾 於 関戸公民館
ジンジャー
(十余年かかって今年初めて咲きました。)