無名会6月 2011年7月10日発行
カシワバアジサイ
梅雨だというのに本当に暑い暑い日が続きましたね。
そしたらもう梅雨が開けたんですって!!
あ~あ~これから本格的な夏になるんですねー。
熱中症に気をつけましょうねー。
二十韻「父の日や」 梅田 實 捌
父の日や腹式呼吸ゆっくりと 梅田 實 仲夏
積乱雲のくっきりと朝 玉木 祐 三夏
遠来の友と珈琲楽しみて 古賀 直子
蹲っているお預けの犬 峯田 政志
ウ 初月を載せた列車は港町 おおた六魚 仲秋
林檎を剥いて待ち侘びている 實 晩秋
頬染めて秋の灯そっと消し 祐 三秋
神経痛の湿布張替え 直
夢にまで死んだ亭主の法螺話 魚
こわれそうです宰相の椅子 直
ナオ 音たてて風吹き抜ける冬木立ち 實 三冬
ボーナスが出て月と飲んだよ 祐 仲冬
それからは競輪競馬つきにつき 魚
往生時よ南無阿弥陀仏 實
世界中おばたりあんが元気とか 志
胸とお尻が円く艶々 魚
ナウ 人知れぬアバンチュールをゴンドラで 祐
踏んでしまった風船がぽん 魚 三春
花眩し道頓堀は満開に 志 晩春
お玉じゃくしがゆらりゆらりと 執筆 晩春
平成23年6月4日首尾
二十韻『一羽一声』
電線の一羽一声梅雨がらす 玉木 祐
傘傾けて揺らす枇杷の実 藤尾 薫
遠来の友に珈琲濃く入れて 古賀 直子
フォマルスーツ決めて来たりぬ 祐
ウ 月今宵楽しむ野外コンサート 薫
うそ寒だねと抱き寄せる肩 直
くちびるに酸漿の香の残される 祐
何語を話す隣の座席 薫
オリエント急行車掌ポアロ似で 直
平積みにして本屋大賞 祐
ナオ 鬼ころし炬燵囲んで杯をつぐ 薫
除夜の鐘打つ月の山寺 直
日曜のテレビ政談菅おろし 祐
ギャル投票は商魂みえみえ 薫
祖母仕込み狙った的ははずさない 直
若旦那から横恋慕され 祐
ナウ 定年後末広亭に通う日々 薫
泣いて笑って万愚節です 直
花の下ア・カペラでソロ大喝采 祐
子犬ヨチヨチたわむれる蝶 薫
平成二十三年六月十九日 首尾
於関戸公民館創作室
人々の祈りの部分が
もっとつよくあるように
人々が地球のさびしさを
もっとひしひし感じるように
ねむりの前に
僕は祈ろう
* 「ニ十億光年の孤独」から
(京鹿の子)