無名会9月2009年10月16日発行
歌仙「白磁のグラス」
なみなみと白磁のグラス夜長かな 山田藤子
13階にのぼる涼月 玉木 祐
秋の波盥の船を浮かべいて おおた六魚
おとぎ話はおしまいにする 古賀直子
痺れ足どうにか伸ばし立ち上がり 宮澤佳子
ざっくり編んだながい襟巻 藤子
ウ
散りかかる雪に響ける寛永寺 六魚
相合傘のお相手はだれ 直子
恋ほどの重たい荷物知らで過ぐ 祐
メールの文字はハートだらけで 佳子
逢ってきて取りに行かない忘れ物 藤子
妖怪の夢色々の森 六魚
月の面にどんとぶつかる川開 直子
氷しらたま母の自慢で 祐
潰瘍の見舞にもらうマンが本 佳子
不破の関旅人もなき花の雨 六魚
巣立ちの鳥をはやす子供等 直子
ナオ
いただいた剃刀貝を刺身にす 祐
スタイリストは指の魔術師 佳子
平日の市民広場に一輪車 藤子
教会の坂掃いている爺 六魚
先生の趣味は読書と落葉焚 直子
柊咲いて香る裏庭 祐
深水の美人画模造買いこんで 佳子
ネイルアートの今様小町 藤子
首相夫人華やぐ色の過去もあり 六魚
巴里紐育そして倫敦 直子
ビル渡る名月やたら早送り 佳子
爽やかに打つイチローの球 祐
ナウ
秋晴れの小径に赤い靴はいて 藤子
象の水飲む音の聞こえる 六魚
アナログの体重計は故障中 直子
和服着ることなくて歳とる 祐
花と餅今も昔も墨堤に 藤子
素潜り海女の籠にいっぱい 佳子
平成21年9月5日 於 関戸公民館
二十韻 「ライスカレー」
秋晴れやシルバーウイークライスカレー 梅田 實
刈萱の原のぼり来る月 玉木 祐
瓜坊が二匹三匹顔出して 宮沢佳子
テレビ画面にうつる友達 古賀直子
ウ
しとやかなお国訛りに驚いた 實
癖になったか騙される恋 峯田政志
置去りのケータイそっと盗み見て 藤尾 薫
酒壺提げて露地をふらふら 星 明子
張り込みの刑事着ぶくれ大欠伸 直
ねぐらで熊はひとり熟睡 實
ナオ
おしゃべりのおばさん隣バスツアー 祐
うふふニコニコケーキバイキング 薫
太めでも愛することは変わらない 佳
水着姿で俄然大持て 志
月高く玫魂咲ける砂の丘 明
達筆で書く竹光の銘 志
ナウ
声明は庫裏まで響く朗々と 薫
春の野辺にて遊戯する児等 實
花守は散りゆく花を惜しみつつ 佳
おぼろの空を渡りゆく鳥 祐
平成21年9月20日 首尾於 聖跡桜が丘関戸公民館
歌仙「白磁のグラス」
なみなみと白磁のグラス夜長かな 山田藤子
13階にのぼる涼月 玉木 祐
秋の波盥の船を浮かべいて おおた六魚
おとぎ話はおしまいにする 古賀直子
痺れ足どうにか伸ばし立ち上がり 宮澤佳子
ざっくり編んだながい襟巻 藤子
ウ
散りかかる雪に響ける寛永寺 六魚
相合傘のお相手はだれ 直子
恋ほどの重たい荷物知らで過ぐ 祐
メールの文字はハートだらけで 佳子
逢ってきて取りに行かない忘れ物 藤子
妖怪の夢色々の森 六魚
月の面にどんとぶつかる川開 直子
氷しらたま母の自慢で 祐
潰瘍の見舞にもらうマンが本 佳子
不破の関旅人もなき花の雨 六魚
巣立ちの鳥をはやす子供等 直子
ナオ
いただいた剃刀貝を刺身にす 祐
スタイリストは指の魔術師 佳子
平日の市民広場に一輪車 藤子
教会の坂掃いている爺 六魚
先生の趣味は読書と落葉焚 直子
柊咲いて香る裏庭 祐
深水の美人画模造買いこんで 佳子
ネイルアートの今様小町 藤子
首相夫人華やぐ色の過去もあり 六魚
巴里紐育そして倫敦 直子
ビル渡る名月やたら早送り 佳子
爽やかに打つイチローの球 祐
ナウ
秋晴れの小径に赤い靴はいて 藤子
象の水飲む音の聞こえる 六魚
アナログの体重計は故障中 直子
和服着ることなくて歳とる 祐
花と餅今も昔も墨堤に 藤子
素潜り海女の籠にいっぱい 佳子
平成21年9月5日 於 関戸公民館
二十韻 「ライスカレー」
秋晴れやシルバーウイークライスカレー 梅田 實
刈萱の原のぼり来る月 玉木 祐
瓜坊が二匹三匹顔出して 宮沢佳子
テレビ画面にうつる友達 古賀直子
ウ
しとやかなお国訛りに驚いた 實
癖になったか騙される恋 峯田政志
置去りのケータイそっと盗み見て 藤尾 薫
酒壺提げて露地をふらふら 星 明子
張り込みの刑事着ぶくれ大欠伸 直
ねぐらで熊はひとり熟睡 實
ナオ
おしゃべりのおばさん隣バスツアー 祐
うふふニコニコケーキバイキング 薫
太めでも愛することは変わらない 佳
水着姿で俄然大持て 志
月高く玫魂咲ける砂の丘 明
達筆で書く竹光の銘 志
ナウ
声明は庫裏まで響く朗々と 薫
春の野辺にて遊戯する児等 實
花守は散りゆく花を惜しみつつ 佳
おぼろの空を渡りゆく鳥 祐
平成21年9月20日 首尾於 聖跡桜が丘関戸公民館