2015年3月 無名会例会 3月19日発行
長らくごご無沙汰いたしました。
1月,2月は例会はお休みになり代わりに文韻をいたしました。
総勢8人の歌仙でしたね。個性ある句、魅力的な句が次々と出て、刺激的で勉強になりました。皆様のご感想はいかがでしたか?
さて今月7日に巻きました二十韻、2巻ご覧ください。
二十韻「海駈ける」の巻 膝送り
海駆ける武蔵に逢いしや燕来る 坂本統一 仲春 場
カフェの窓辺に望む残雪 古賀直子 仲春 自
鼓打ちあらせいとうの香にむせて 玉木 祐 晩春 自
帽子揃えて園児の遠出 藤尾 薫 他
ウ
縁側に煙草吸う人月涼し 星 明子 三夏 他
嫁の煎れたる新茶ほのぼの 統一 初夏 自他
甘口のくどき文句に弱いのよ 直子 自他
やっと叶って噺家になる 祐 自
筆とって勘亭流を黒々と 薫 自
床の間に置く酒は正宗 明子 場
ナオ
継母の丹念に縫うちゃんちゃんこ 統一 三冬 他
降誕祭の劇の主役に 直子 仲冬 他
初恋は横向きざまにキスをして 祐 自他
デートコースは猪のジビエを 薫 晩秋 自他
稽古矢は弓張月にはずす的 統一 三秋 他
馬に鞭うつ稲妻の夜 明子 三秋 自
ナウ
エルメスのバックローンで買いました 直子 自
すしづめバスで飛行場まで 祐 他
鐘の音にしづこころなく花の散る 薫 晩春 場
朝寝ゆっくり夢に極楽 明子 三春 自
2015年3月7日 首尾 関戸公民館ワークショップルーム
(ギョリュウバイ)
二十韻「ベビー靴」
啓蟄や品定めするベビー靴 古賀直子
春のとまどい歩道の段差 坂本統一
雨にぬれ八重の椿は重たげに 藤尾 薫
みだれ太鼓は佳境に入れり 玉木 祐
ウ
月上る羚羊追ってカメラマン 星 明子
スノーモービル相乗りの仲 直子
引き寄せて胸のふくらみ柔らかし 統一
西域たどるさすらいの旅 薫
風吹いて砂漠の酒に酔いしれる 祐
テロ反対のデモの行列 直子
ナオ
アイドルの野外演奏盛りあがる 明子
氷あずきの味は格別 薫
江戸城の奥につかえる町娘 祐
虫しぐれ聴く恋のつれづれ 明子
献上の帯に映えたる望の月 祐
姉妹そろって行く放生会 薫
ナウ
海釣りをのんびり船に揺れたのみ 統一
富士の秀峰銭湯の壁 明子
久方の光りかさねつ花暦 統一
ついうかうかと弥生尽とぞ 執筆
平成二十七年三月七日 首尾 於関戸公民館ワークショップルーム
花の雲三たび重ねて雲の峰 蕪村