今回の日曜美術館は、『永遠に強く美しく 奈良興福寺の国宝仏像』です。
東京芸術大学美術館で『国宝興福寺仏頭展』が開催されているのは、私が読者登録している方のブログ記事で知りました。後日、NHK日曜美術館で取り上げられるとは思ってもいませんでした。
私は、年1,2度は奈良に行き、興福寺、東大寺、国立博物館等をゆっくり見てまわるのが好きです。特に興福寺の広い境内は趣があり、京都の寺院とは一味違う味わいがありす。多くの仏像が展示されている国宝館は、何度見ても感動します。
奈良へは最近は、近鉄電車で行くことが多いですが、以前は車が多かったです。車に折りたたみ式の自転車を2台積み、自転車で市内のあちこちをまわります。ちょうど自転車でまわれる範囲に拝観寺院や美術館、博物館があります。
今回放送の仏像が所蔵されている興福寺は、全国の国宝仏像彫刻のおよそ15%を所蔵する仏像の宝庫で す。平城京の時代から法相宗の教えを広め、絵画や書跡など宗派の名品を1300年の間、数々の災害から守り今日に伝えています。
今回の日曜美術館は、興福寺の国宝「銅造仏頭」と 国宝「十二神将」、国宝「木造十二神将立像」に焦点があてられて紹介されました。
国宝「銅造仏頭」白鳳時代
この仏頭は、よく見慣れたような仏像とは違い、妙にリアリティーがあり、同時にハットするような美しさがあります。 解説では、「白鳳の貴公子」ともいわ れる高貴な表情は、見る角度によって厳しくも、またやさしくも見える、神秘的な魅力をたたえている。とありますが、よくわかります。
この仏像は、平安末期、興福寺の堂衆たちが飛鳥の山田寺から運びこんだ巨大な白鳳時代の仏像(現仏頭)で、東金堂の本尊、薬師如来として安置されました。15世紀初頭に火災に遭い、現在は頭部のみが国宝館に残ります。
話は飛びますが、私は白鳳時代の仏像が好きです。やさしい顔立ちが多いからです。
平家の軍勢に焼け落ちる東大寺や興福寺
この仏像は、数奇な運命をたどってきたと言われています。昭和 12年、この仏頭は、興福寺東金堂の本尊の台座の中から、およそ500年ぶりに発見されました。焼失したと考えられていた仏像が、頭部だけ助け出され、大切にしまわれていたのです。
番組は、仏頭にまつわる波乱の歴史を明らかにしていきます。
本尊の台座に埋め込まれていた仏頭
国宝「十二神将」
番組は、国宝「十二神将」誕生の背景にも迫ります。筋骨隆々、リア ルでダイナミックなその姿は、鎌倉彫刻の傑作と評されます。番組は、興福寺の復興に燃えた 仏師たちの熱き魂を描きます。
番組で紹介された仏像です。
国宝「木造十二神将立像」(鎌倉時代)
現在も東 金堂に安置されている国宝「木造十二神将立像」(鎌倉時代)は、本尊・薬師如来の眷属(従者)として、その守護神の役 割を果たしてきました。
わずか 3センチの薄い板に彫られているにもかかわらず、立体感と躍動感にあふれる平安時代の傑作 です。