京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

やっと拝観できた、正伝寺の庭園

2014-07-07 05:46:20 | 京都めぐり

以前から一度は行ってみたいと思っていたのが、京都市北区西賀茂の正伝寺の庭園です。
江戸初期、小堀遠州の作庭。 先日やっと拝観できました。

正伝寺の創建は鎌倉時代に遡ります。
国の重要文化財に指定されている方丈は、入母屋造、こけら葺で、寛永年間(1624~1644)に伏見城の遺構を移建したものと伝えられています。

方丈の襖絵は、桃山時代の狩野山楽の作品です。

方丈の前庭は、白砂敷にサツキを中心とした三群(七五三)の刈込を配した枯山水です。
土塀越しに見える比叡山が美しい、京都市の代表的な借景庭園として、京都市の指定名勝になっています。

山門です。





山門をくぐり、長い参道を登って行きます。




途中、中門でしょうか。





やっと、本堂(方丈)が見えてきました。





方丈に入ります。
今の時期は訪れる人が少ないそうです。
すぐに、方丈前庭の枯山水です。
遠くに比叡山が見えます。
この景色は、おそらく昔からほとんど変わっていないでしょう。

拝観者も少ないため、赤絨毯の上に腰をおとし、じっくりと借景庭園を満喫できました。










方丈を出たところに、かわいいお地蔵さまの焼き物を発見。





鐘楼です。変わったデザインです。





まだ、紫陽花がきれいに咲いていました。






お寺の方が、桜、サツキ、冬の庭園もきれいだよと、写真を見せていただきました。
その写真です。

























2014今年も暁天講座の時期が来ました。

2014-07-06 05:38:36 | 坐禅会

暑い京都の夏の風物詩ともいうべき、暁天講座が今年も始まります。

今まで私が参加したことのある講座を紹介します。

建仁寺
緑陰暁天講座(7/11~13)
坐禅開始 6:30~、緑陰講座は7:10~8:00
参加費は無料です。

7月11日(金)
講 師 易経研究家 竹村 亞希子 氏
演 題 『龍が教える帝王学~中国古典(易経)』

7月12日(土)
講 師 KBS京都ラジオパーソナリティ 武部 宏 氏
演 題 『ことばは力、ことばは感動』

7月13日(日)
建仁寺派管長 小堀泰巌老大師
提唱 『碧巌録第四十七則 雲門六不収(うんもんろくふしゅう)』
※最終日13日の講座後には粥座(しゅくざ) (朝食)の 接待があ ります。

昨年の講座の様子です。講師は元外務省の薮中氏でした。




天龍寺暁天講座

一日目:7月26日(土)、 二日目:7月27日(日) 参加費無料
午前6時 ~ 午前7時:坐禅
午前7時 ~ 午前8時:提唱「夢中問答」天龍寺 管長 佐々木容道老大師
◆両日共、提唱終了後に素麺の接待があります。
早朝の名勝曹源池庭園を眺めれる絶好の機会です。

昨年の暁天講座、開始前の坐禅会場




智積院暁天講座

8月1日(金)~2日(土) 午前6時~読経、講演で午前8時頃迄
一日目:智積院僧侶のお話
2日目:戦場カメラマンの渡辺陽一さんの講演です。

終了後、庭園の無料拝観ができます。
また、朝食の接待があります。


東福寺暁天講座

8月2日(土)~4日(月)午前6時~坐禅、6時半~講演等
2日:花園大学教授 吉澤教授
3日:東福寺老師お話
4日:東福寺管長お話
最終日茶礼があります。

昨年の暁天講座も吉澤教授のお話でした。




妙心寺暁天講座

毎月行われている、早朝坐禅会ですが、8月は管長提唱もあります。
毎月6・7・8日の三日間、 朝6時~7時半
会費: 500円(三日間で
朝6時~6時半 坐禅
6時半~7時半 提唱(講座) 禅道会師家 則竹秀南老師
◆毎月最終日(8日)には茶話会(菓子付き)があります。
◆8月は最終日に食事の接待があります。

機会がございましたら、みなさまも御参加いかがでしょうか。
私が紹介した寺院以外にも、知恩院などの各宗派本山でも暁天講座は開催されています。


祇園祭吉符入り、祭の準備進む山鉾町

2014-07-05 05:46:25 | 2014祇園祭

京都の夏の最大イベント、祇園祭が今年も7月1日からはじまりました。
私のブログでも紹介しましたが、2日には山鉾巡行の順番を決めるくじ取り式が京都市役所で行われました。

一昨日の3日には、山鉾のひとつ、船鉾に伝わる神面の無事を確かめる儀式「神面改め」が行われました。
船鉾には巡行で役員が持つ室町中期の本面と、ご神体につける江戸後期の写し面があるそうです。




各山鉾町では、祭礼奉仕や神事の打ち合わせを行う吉符入りも始まりました。
祭りにかかせない粽づくりなども各山鉾町で行われます。
ただ、粽自体は、早いうちから上賀茂の農家が内職で作っていると、以前直接農家の方から聞いたことがあります。
山鉾町では、農家が作った粽の袋入れなどをしているのかもしれません。

昨日、四条烏丸の方に所用があり、でかけたついでに、山鉾町を歩いてきました。
山鉾が建ち始めると一気に祭の気分になりますが、昨日はまだあまり変わらない山鉾町の景色でした。
でも、よく見ると、電柱にカバーがかけられたり、各山鉾保存会もポスターや飾り付けもされはじめています。

新町通りと室町通りの電柱








各町会所には、巡行順番を知らせる紙が貼りだされ、注連縄も張られています。
役行者山の町会所です。






山鉾町の町会所は、神社の一角だったり、昔からの町屋だったり、マンションの一角だったりとさまざまです。

綾傘鉾は大原神社の中にあります。






伯牙山は町屋で有名な杉本家住宅にあります。










菊水鉾はマンションにあります。
鉾に登る階段も取りつけられました。






霰天神山も提灯が飾られ、巡行順番が貼り出されています。









太子山も町屋で飾り付けられます。









四条通りの月鉾の町会所です。





蟷螂山も大きなマンションの一階にあります。
ここも注連縄が張られました。





祭りの本番が今から楽しみです。










北嵯峨の散策、なぜか感傷的に

2014-07-04 05:45:14 | 京都めぐり


一昨日、北嵯峨の散策に行ってきました。
広沢の池から、直指庵、大覚寺に向かうコースです。

広沢の池の水面には嵯峨富士の名をもつ、遍照寺山が映し出されています。









この池は、宇多天皇の孫寛朝僧正が、遍照寺建立の際に造ったといわれています。
遍照寺は、池のほとりに釣殿、月見堂などを設けた大きな寺であったそうです。
しかし、応仁の乱で荒廃したと言われています。

私は、春の桜が咲き誇る頃が一番好きですが、古より変わらない、のどかな田園や竹林の景色は、京都市内とは思えない情景が広がっています。





田圃の稲が青々しています。
秋になれば、黄金の稲穂が広がります。





竹林が広がります。
この一角に、ひっそりと後宇多天皇陵があります。






北嵯峨の農家でしょうか。




紫陽花もまだ見頃でした、





この近くは嵐山、嵯峨野の観光地です。
でも、ここは観光客が訪れることは少ない地です。

子どもの頃の田舎の風景にも似ていると思っていると、 ふと昔日の青春時代の揺れ動く気持ちが沸き上がってきました。

思索や物思いにふけるほど若くはない私ですが、、、、、。
なぜか、感傷的になってきました。

コースも終盤、急に曇り空が広がってきました。
足を早め、家路に向かいました。
久しぶりに、若いときによく聞いた、ムスタキやナナ・ムスクーリを聞きたくなりました。


最後にこの地は、『京のいろごよみ 志村ふくみの日々』で何度かでてくる景色です。
紹介します。

春、桜の景色





秋、稲刈りの景色





真冬の景色








祇園祭くじ取り式

2014-07-03 05:37:21 | 2014祇園祭


昨日、今年の祇園祭山鉾巡行の順番を決めるくじ取り式が、京都市役所で行われました。





くじ取り式の歴史は古く、今より600年以上前の1500年に始まったそうです。
江戸時代は六角堂、 明治時代は京都府庁や市役所などで、終戦直後は八坂神社で行われていました。
しかし、巡行順をめぐり山鉾町の争いが絶えなかったため、1953年からは市議会議場が会場になっているそうです。

式は、各山鉾町の代表者が羽織はかま姿で集まり、くじを引きま す。




慣例で巡行順が決まっている「くじ取らず」の9基を除く、24基の代表が、京都市長、祇園祭山鉾連合会理事長、八坂神社宮司らの立ち会いのもと、予備くじの順に登壇してくじを引 きます。
引いたら市長に見せ、順番を読み上げるというものです。





今年の山一番は、前祭が占出山、49年ぶりに復活する後祭は、八幡山に決まりました。
占出山の山一番は20年ぶりだそうです。

その後、11時半ごろ八坂神社に向かい、祭礼の無事を祈ります。

祇園祭山鉾巡行は前祭が17日、後山が24日に行われます。

昨日は用事があり、四条の繁華街に行ってきました。
アーケードからコンチキチンのメロディーが流れています。
これを聞くと、祭りの雰囲気が一気に盛り上がります。

今年は後祭も是非、見たいと思っている私です。



冬から春 京のいろごよみ染織家志村ふくみの日々

2014-07-02 05:52:28 | 美術・博物館

今年の正月、つまらない番組が多いなか、数少ない上質な番組が放映されました。
それは、『京の"いろ"ごよみ 染織家志村ふくみの日々』です。
染織は門外漢の私ですが、66歳で人間国宝となった、志村さんの染織の芸術性に感銘し、私のブログでも番組内容を紹介しました。
志村さんが織りなした染織は、一幅の絵画を見ているようです。

その続編が、今回日曜美術館の特別編として放送されました。
私は、今回もすばらしい染織の作品に感銘しました。
紹介します。





初夏から晩秋までを追った前作に続き、今回 は冬から春の志村さんの染織の日々と作品を紹介しています。

京都・嵯峨野で半世紀、植物からとれる染料で糸を染め、鮮やかな着物に織り上げてきた人間 国宝の染織家・志村ふくみさん。




冬の京都・嵯峨野
広沢の池でしょうね。




その着物は色が奏でる叙情詩と評され、素朴な織物だった紬織を芸術の域にまで高めたという評価があります。
作品を見ていると、私のような素人でも、すんなり頷けます。


一見、色が失われる冬、しかし、そこに芽吹きを待つ植物の命の色が 宿っています。
春にむけて花を咲かせようと、桜や梅が体中にた くわえている色を、花の咲く前に炊き出します。

桜の木を炊き出し、色を抽出しています。




しかし同じ植物でも採れた年や場所、自分の心の状態で一度として同じ色は出ないそうです。だからこそ懸命に、植物の声に耳をすませます。
90歳を目前にしてなお、みずみずしい 感性で自由にイメージを膨らませます。

作品「雪の湖」
雪におおわれた湖は、心に深く刻まれている情景だと。




作品「雪の戸」




しんとした雪の世界に人間が暮らしている。
静かに流れる冬の時間。





梅のの樹液から染まるもも色





作品「豊後梅染無地」
梅で染めた色のみで織り上げたものです。





3月15日、嵯峨釈迦堂(清涼寺)の御松明
毎年、松の枝と藤のツルで作った松明を3本燃やし、農作物の豊凶を占った行事です。
これが終わると、京都も春が来ると実感できます。





4月、嵯峨野も桜で満たされます。





作品「初音」
初めてうぐいすが鳴くころの情景をイメージしたものだそうです。
満開の桜模様も想像します。








作品「若柳」
若々しい柳の姿が斬新なデザインに生まれ変わっています。





作品「紅襲」(桜かさね)





平安貴族の装束「襲の色目」を現代風にアレンジ。
紅で桜のほのかな色を表現したそうです。





5月新緑の嵯峨野、新しく入った弟子と草を取りにでかけました。





採取したカラスノエンドウという植物から色を抽出します。





作品「柳の國」





カラスノエンドウで染めたうすみどりが、青紅葉に映えています。






志村さんは、自然とともに歩みたどりつい た境地から、 「植物の色を復活させたい」と語ります。



上賀茂神社 夏越大祓 (なごしのおおはらえ)

2014-07-01 05:26:04 | 京都めぐり

昨日の朝、上賀茂神社 夏越大祓 (なごしのおおはらえ)に行ってきました。





大祓は、6月と12月に行われます。
半年間の罪・穢を祓い清めて、次の半年を無病息災に過ご せるよう願う神事です。
神職が茅輪のくぐり初めをした後、参拝者も茅輪をくぐることができます。

私も作法に従いくぐってきました。





人形を書く場所




神官による神事も行われています。






また夕刻には人形(ひと がた)ながしも行われます。
人形は人の形をした紙でできたもので、罪・穢を遷すものとして用いられます。
参拝者は人形に名前や年齢を書き、体をなでて、息を吹きかけます。
そして神職が参拝者から受け た人形をならの小川に流して、罪・穢れを祓うのです。


上賀茂神社本殿





輪をくぐっていると、なにやら視線を感じました。
撮影です。腕章を見るとNHKでした。





今日は神馬がいました。




外は暑いのですが、賀茂曲水宴が開催される渉渓園はとても涼しいです。