道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

恋愛至上主義

2022年09月20日 | 恋愛
高校2年の夏休みに、自由課題の読書でスタンダールの「赤と黒」を読んで、私は恋愛至上主義者になった。恋愛が好きなのではなく、恋愛話が好きということである。憧憬は強いが実践は伴わない。幾多の恋愛の果てに、遂には断頭台に消えたジュリアン・ソレルの生涯を知れば、現実の恋愛はまっぴら御免という気持ちになる。老爺の恋愛論かなどと白けないで、終わりまでご笑覧いただきたい。人間は生きている限り、恋と無縁にはなれな . . . 本文を読む
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恋の失速

2022年04月26日 | 恋愛
恋人に嫌われたのでも、双方に異性との問題が生じた訳でもないのに、何故か恋情が消失し、熱愛していた恋人と別れてしまった苦い体験をおもちの方は、男女ほぼ同数おられることだろう。遠い昔の、若い頃の恋愛を思い出していただきたい。順調円満な男女の仲なのに、一方の恋情が突然冷めて恋が失われるのはどういうことなのだろう?恋愛につきものの、不可思議な現象である。若い男女の恋では、どちらの側の恋情にも、航空機が失速 . . . 本文を読む
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両想い

2020年12月21日 | 恋愛
これでも若い頃は、ご多分に漏れず情熱の炎が熾んで、思い焦がれたり、懊悩に夜も眠れず、食も細ることがあったような記憶が朧げながらある。シャイな癖にアグレッシブというのは誤解を招きがち。愧じ多き時代のことは、懐かしくもあり、忘れたくもある。熱の発生が著しく減った現在では、その頃いったいどのような情動に衝き動かされていたのか、漠然としか思い出せない。どうしてもその時の実感が甦らない。人間は熱がなくなると . . . 本文を読む
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恋というもの

2020年02月28日 | 恋愛
新型コロナウイルスのTV報道を連日視聴していると、外出を避けていることと相俟って、かなり気が滅入ってくる。こんな時は、とうの昔に過ぎ去った恋のことでも考えてみようと思った。恋という言葉の意味・感情を忘れてしまう前に、書き留めさせていただく。恋について、忌憚なくかつ衒いなくそれを書けるのは、遥か昔に恋と無縁になった老人の特権である。恋が現実のものであるときは、冷静に考えたり論評をしたりすることは、到 . . . 本文を読む
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岡惚れ

2018年09月05日 | 恋愛
つらつら顧みるに、幼稚園の頃から岡惚れする質だった。学校時代は一貫して岡惚れ時代。結婚しても岡惚れ癖は熄まなかった。老いたら熄むと思っていたら、齢の分だけ岡惚れ対象の年齢幅が拡がっていることに気付き、我ながら呆れた。辞書によると、岡惚れの「岡」は「傍ら」を意味し、岡惚れとはよく知らない異性や特に付き合いのない異性に、傍らから見ただけで惚れてしまうことだという。つまり傍らから刹那的に恋することである . . . 本文を読む
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