3世代同居家族の中の3つ違いの小学生兄弟。学校から帰ると我々祖父母の居室に来て、祖母にミルクティーをねだり、おやつを食べてから宿題。遊んだり喋ったり、ひとしきり騒いでから引き揚げる。
「行ってきます」「ただいま」に、「行ってらっしゃい」「お帰り」と応答するのは、我が家では老人の役目である。両親は子どもたちが登校する前に出勤し、下校後に帰る。下校時には、祖父母のどちらかが必ず在宅するようにしている。
彼らと共に過ごしていると、同じ3歳違いの息子兄弟が、これら孫たちと同年齢だった頃の姿が彷彿と蘇る。彼らが息子兄弟のレプリカに見える。そしてそれを手掛かりに、意識は我知らず40年も昔の自分たちに立ち戻っている。
老いることには好い面もある。若いときには、息子兄弟の騒々しさに苛立ったこともあった。今は孫兄弟のやんちゃな遣り取りを見たり聴いたりしていても、穏やかで安らかな気持でいられる。齢の所為だ。
子どもたちは大人の目があると調子に乗るもので、彼らが我々の部屋に来ると、本も読めず、音楽も聴けず、テレビも観れない。だがそれに勝る愉しさは、錯覚にもせよ老人の意識を若返らせてくれることである。幼い者や若い者との触れ合いは、いつの世でも、老人の最大の愉しみであるのだろう。
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