道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

近くから始まる

2024年09月23日 | 音楽
ことわざに「遠くて近きは男女の仲」という。(遠く離れている間柄でも、男女の仲は予測不能、急に近くなることもある)という諺言は含蓄が深い。

一般に恋は近くから始まるものである。始めから遠くの異性に憧れるのは、強度のロマンチストか、空想好きの人であろう。普通は近回りの異性に恋心を感じ、交際範囲が広がるにしたがって遠くの異性との交流が増え、それに付随して恋も発生する。

老生の若い頃は、文通が盛んだった。
字が拙かった私は手紙が苦手で国内の文通を意識して避けていた。
中学になり英語を教えられるとすぐ、海外文通を始めた。
戦勝国のアメリカと敗戦国のドイツの少年男女を紹介された。(当時はぺンフレンドの国際的な紹介機関があった)

文通を始めてみると、アメリカのペンパルの生活環境と自分の生活環境とがあまりにかけ離れていて、ただただ違いに驚いた。アメリカの生徒に当たり前のことが、日本では絶無、日本の生徒に当たり前のことはアメリカでは想像を絶するのであった。まさに異邦人人どうしの通信は長く続かなかった。習い始めの拙い英語のせいにしても、話題が噛み合わず、返信が間遠になってしまった。戦後12年の頃である。戦勝国と敗戦国との社会的、経済的格差は大きかった。
その後少しでもアメリカの青少年のライフスタイルを知ろうと「True Story」という若者向け雑誌を購読した。そこに記されている青少年の生活は、中学生の私には衝撃的だった。丁度その頃からロックンロールがもてはやされ、アメリカンポップスが音楽シーンの主流になりつつあった。
ジャズは世代がやや上、兄貴分の音楽だった。映画も音楽もアメリカ、アメリカに傾倒した時代が続いた。

後手の私も、高校を了える年頃には、町内の娘っこにチョッカイを出すようになった。ごく自然の流れである。
恋に恋する年頃の恋愛は、期待が上滑りして成就は難しい。近過ぎて、未知な部分が少ないこともあるかも知れない。
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