トコジラミという害虫が国内で増えているらしい。戦前まで南京虫の名で日本人に汎く知られていた吸血昆虫だ。南京豆(ピーナッツ)・南京錠・南京玉すだれ(芸能)・南京ハゼ(街路樹)など、南京の名が付く日本語はよく耳にする。戦前の婦人用時計は、その大きさと形が似ているので、南京虫と呼ばれた。
敗戦後、占領軍が濫用したDDTのお陰?で、この悪名高い虫は姿を消したと思っていたら、国策のインバウンド・アウトバウンドの隆盛に伴い、近年国内に持ち込まれ、国内で増殖しているらしい。交通機関、宿泊施設で被害が相次ぎ、今年は昨年の3倍の勢いとか。
南京虫の名では外交的に差し障りがあるのでトコジラミの名が使われるようになったのだろうが、どう名称を変えようとも私には、聞くだに悍しい凶悪な吸血南京虫だ。
私が山歩きをしていた50代の頃、当時中央アルプスの空木岳の山頂直下に在った無人小屋に山友2人と泊まったことがある。夜中にこれらしい虫に刺され、翌朝全員の頭がボコボコのコブだらけに腫れ、かつて経験したことのない強烈な痒みに見舞われた。腫れと痒みは、下山後も1週間以上続いたろうか?
小屋で壁に頭を向けて寝たのが拙かった。この虫の習性は夜行性、昼間は暗いところ、壁と床板の合わせ目の隙間などに潜み、夜間に哺乳類(ノウサギ・ノネズミ・ヒトなど)の体温を感じて吸血行動をするらしい。実に陰険な挙動の虫である。
成虫なら5ミリから8ミリ、幼虫なら1ミリから4ミリというから、見つけたら即ぐ殺虫できるはずだが、夜眠っている時では防ぎようがない。私も現物は目にしていない。姿なき吸血虫と言える。
幸いマダニの様に重い伝染病を媒介しないようだが、海外旅行は勿論、国内旅行でも注意しなければならなくなったとは・・・通販の段ボールにも潜んで、入国や移動するケースも多いらしい。
コロナの重圧が取れたと思ったら今度は南京虫。春の旅行好適期に水を注さないよう、当局の速やかな対策と、防除対策の周知をお願いしたい。
小学校低学年のころ、頭に噴霧器のようなもので、頭にシューッと白い粉を噴霧された事を思い出しました、、。他の事は、ほとんど忘れてしまったのに、この件は子供
心に強烈だったのか、よく覚えています。
現代に再び現れるなんて、よほど生命力が
強いんですねぇ、、!
同世代だから、同じ体験してますね。
DDTの直接噴霧や使い回しの予防注射、不味い脱脂粉乳、よく無事に生きてこれたと思います。
この世代の人たちが、予想に反して平均余命を高めています。皮肉なものです。