【ぺんぺん草】
ウィキペディアによると、
アブラナ科ナズナ属の越年草。別名、ペンペングサ、シャミセングサ。田畑や荒れ地、道端など至るところに生え、春から夏にかけて白い花と三角形の果実をつける。春の七草の一つで、若葉は食用にもなる。ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられている。
この草は冬でも枯れない。陽だまりで春を待つ。春の若芽はナズナと呼ばれ、七草のひとつである。
栄えていた家や商店が傾くのを、人は「ぺんぺん草が生える」と云った。抜く人が去り、人の出入りが途絶えた土地を表現する言葉である。
令和の前、平成の失われた30年で、地方都市の街衢にシャッターを閉ざした店舗と空き地が増えた。工作物の無い駐車場も、空き地の部類である。
かつては更地ができると、その土地を新用途に活用する建物が建てられた。しかし現在の市街地に、適合する新たなビジネスモデルは無く、土地は有効に活用できない。建物を建ててもテナントが入らない。
空き地のまま虚しく放置される土地が増え、道路との地際に、ぺんぺん草が生え茂るに任されている。
そこへコロナの痛撃である。商工業を支えて来た生産・消費社会の存立基盤が脅かされている。
世界中に猛威を奮うコロナウイルスは、感染を拡げ人体を蝕み、経済活動を悪化させる。市街地は自然発生的に三密で形成され発展して来たものだから、コロナ禍の下では市街地そのものの存在価値が失われてしまう。
買いに行けない、観に行けない、集まれない、
飲食できない、歌えない、の無い無い尽くし。
消費生活の基盤がコロナウイルスによって蚕食されている。ぺんぺん草はその象徴である。
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