先日、配偶者と休日を合わせて日帰りで倉敷に行ってきました。
30年ほど前に大原美術館へ行きましたが、再訪してみたいということと、周辺を味わってみたいということ、そして配偶者の買い物が目的です。
・訪問先:倉敷美観地区
・訪問日:2018年11月1日
・訪問内容
・大橋家住宅
・尾道国際ホテル
・大原家住宅
・美観地区散策
・アイビースクエア
・大原美術館
大原美術館については別途報告するとして、その他の訪問結果をここで記載する。
1.大橋家住宅
江戸時代に天領であった倉敷で有力商人であった大橋家と大原家の建物が、国指定の重要文化財として公開されている。
大橋家は米と塩を扱った商人であった。しっかりとした土蔵造りの家。入口横に所有物の展示。贅沢な調度品や人形類が並べられていたが、私たちの最も興味を引いたのは、下記に示す穴あき紙を利用したオルゴール。新しもの好きだな。
この家は、屋内にあがって見まわることができる。とても広く風通しが良い作りになっていて、外へ面する部屋の窓の外はどこにも立派な庭がある。
下記は座敷を見通した写真。
そして庭。ここは中庭だったが、白壁に揺らぐ葉の影の動きが素敵だった。
秋風に揺れ
樹葉が
秋風に揺れ
土壁に
季節を踊る
さあ色づく頃
樹葉が
秋風に揺れ
土壁に
季節を踊る
さあ色づく頃
この立派な家を切り盛りする裏方のための土間も、公開されていた。そこには大きな竈があり、栗が飾られていた。そして竈の横には、使用人用の4つの膳、そして座敷側の一段高い畳の間に差し配者の一膳が置かれていた。
膳の位置
10cmの差
支える人の
座る位置
竈から見て
栗何おもう
10cmの差
支える人の
座る位置
竈から見て
栗何おもう
2.尾道国際ホテル
観光地へ行く場合、私達は観光案内の有名な店でなく一番立派なホテルに行ってランチをする。単品をとると案外安いし、美味しい。今回は尾道国際ホテルで、一流のサービスと素敵な庭、美味しいシーフードピラフを堪能した。(1500円以下)
そしてここは、ロビーから見上げると大きな棟方志功の版画壁画がある。題は「大世界の柵・坤(こん)」副題「人類より神々へ」というものであり、世界最大の木版画(12.8m×1.75m)である。棟方さんの人間賛歌であり、極度の近視であったにも関わらずこんな大きなものに挑戦したのは凄い。それともに、彼には私たちが見ている作品とは違う状態が見えていたのかもしれない。彼の眼が見ていた風景を特殊な眼鏡で再現できればと思った。
棟方志功の見たもの
ガラス瓶の
底から覗き
彫り出した
貴方の夢を
我仰ぎ見る
ガラス瓶の
底から覗き
彫り出した
貴方の夢を
我仰ぎ見る
3.大原家住宅
大原家住宅は、クラレを興すとともに大原美術館や種々の社会貢献を行った大原家社長の思想と事業成果、遺品の展示とともに、社長が構想を練った座敷と美しい庭を拝見することができた。
まずは入り口。暖簾の鮮やかさ。さすが美術館をつくった人の家。
粋の道標
鮮烈な
暖簾が粋の
道標
大原一族
この地に住まう
そして庭。行った時はまだ緑いっぱいだった。これからの秋の紅葉の素晴らしさを想像した。私たちは座敷からしか拝見できないが、本人たちはこの庭を歩いて回ることができる。
完全に外部から切り離された環境で、時間の流れをじっくりと見すえることができ、10年先を見通すことができると主張できる自信を構築したのだろう。
庭園に浸る
アイデアは
樹影中を
飛び回り
時を見通し
美へ昇華する
アイデアは
樹影中を
飛び回り
時を見通し
美へ昇華する
なお庭園には、石など贅をつくしたものが置かれていた。
4.美観地区散策
倉敷川両岸の数100mほどの領域が、自動車の入らない美観地区として、観光用に維持されていた。ただし川には観光用の舟、そして路には人力車が往来する。
道にはガードレールなく、道に面する家はナマコ壁が多く昔の雰囲気を留めている。そして柳などの植生が多く、街を優しい雰囲気にしている。
優しい街
川に舟
路に人力
走る街
違和感なしに
草木が抱く
川に舟
路に人力
走る街
違和感なしに
草木が抱く
そしたら、ちょっと騒動ありました。
たぶんスマホで自撮りしようとして、足元不注意で道から下へ落ちたのだと思います。ガードレールがないのが、悪いほうに働いたのでしょう。でもこの道にガードレールがあったら幻滅します。
美か安全か
美しい
景観ならこそ
要注意
インスタ映えが
事故を生み出す
美しい
景観ならこそ
要注意
インスタ映えが
事故を生み出す
その後地域の新聞をチェックしましたが、記載はありませんでした。大事にならなかったようなので、写真を掲示しました。
5.アイビースクエア
昔のクラボウの建物のエリアが整備されて、アイビースクエアと呼ばれる観光地になっています。
秋絡みつき
思い出に
秋絡みつき
飾れども
余所行きの服で
訪れるのみ
思い出に
秋絡みつき
飾れども
余所行きの服で
訪れるのみ
とても雰囲気よく、街を作っています。倉敷市および市民はたいしたものです。