てんちゃんのビックリ箱

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モントリオール美術館 館内について

2020-10-03 23:55:56 | 美術館・博物館 等
 2013年の8月のモントリオール美術館の訪問の件、館外の彫刻の庭については前回の報告した。
 今回は、この美術館で建物の中の分で、印象に残りかつ写真があるものについて記載する。

 この美術館の内容は下記である。
・世界の美術(過去から現在までの各地域の美術、単一世界としての美術
・ケベックおよびカナダの美術
・国際的な現代美術
・装飾芸術とデザイン
・写真およびグラフィック
・彫刻の庭
(・ナポレオン関連の蒐集品 寄贈品の展示)

1.世界の美術(過去から現在までの各地域の美術、単一世界としての美術)
 エジプトの古代美術から地中海美術、ローマの美術および各地の歴史的美術、印象派などが揃っている。
 日本の美術品が、アジアでは最もちゃんと展示されていた。ここでは特に日本の展示と、近世の美術の例を示す

(1)日本に関わる展示
 ここには、日本刀の小部品や印籠、茶道具の小物入れなどが集められていた。そして日本人の自然とおの結びつきと精神性について、好意的の丁寧に説明していた。
 まず刀の鍔と多分固定金具。武器用というよりも装飾品。




 そして浮世絵、肉筆のもの。国外で見たことがなかったので、感激した。ややエロチック過剰でしたが。





(2)近世の美術の例
 印象派からポスト印象派の作品はそろっている。ここではこの美術館の目玉であるジェームズ・ティソの「10月」という作品 1点と、16世紀のローマの青銅と大理石を組み合わせた作品、作家はデラ・ポルタと推定される「胸像」である。
 前者のティソの作品は、キラキラしていて動的で、そこだけ違う風が吹いているように感じた。印象派として初めての名前だったが、周辺の高名な画家よりも良かった。今後チェックしておきたい。



 デラ・ポルタの作品は、周辺の作品を遠ざける力を持ちつつ、人へは引力を持っている。

 



2.ケベックおよびカナダの美術
 西洋人が入ってくる前のファーストネーション(カナダのインディアン)やエスキモーが製作したもの、それらへの抑圧やカナダ建国の歴史を示すもの、現在のカナダやケベック州の作家の作品などが展示されている。(なお現在のファーストネーションの人口比率は4パーセントであり、インド系カナダ人よりも少ないとのこと。)
 カナダのファー―ストネーションは、馬よりもポカホンタスのように移動手段がカヌー、フランスと連携してイギリスと対抗していた。

 まず東海岸のおける、フランス人とファーストネーションの交流状況。これはいい状況だが、現実にはフランス人も彼らを抑圧していたとのこと。




 ファーストネーションの作品二点



 


ファーストネーションを表す彫刻



現代の馬であるバギーを、ファーストネーションが時代を越えて襲った作品。




 カナダの絵画がまとめて展示されている。こういった展示で、マクロにカナダやケベックのことをイメージしてほしいと思っているのか? ある意味面白い。




3.国際的な現代美術
 バラエティに富んでいてとても面白かった。興味を持ったものを以下に示す。
 
 まずは、大きな手りゅう弾と2人の顔。何だろうと思いますよね。

 


 素敵な脚線美の上に豊かな髪。なかなかにエロチック。



 シャトル打ち上げを描く人達。画面はその瞬間の風景。彼らはいつから描いているのだろう。



 マイクを放り投げたミュージシャン。さあちゃんと受けることができるか。



 爆弾に身を捩る花瓶。




4.装飾芸術とデザイン
  前述のように椅子を特出ししているが、照明やトースターまであった。

 ここはいくらでも並べられるが、まずは装飾品のデザイン。これは写真だが実物展示もある。




 鉄砲類。



 多分台所道具、コーヒー関連?。



 改めて椅子。




5.写真およびグラフィック
 写真が、クラシックなものから現代のものまで大量にあった。この近くに版画もあったので一緒に示す。

 カメラの写真。今でも多くの人が撮っている。いわば自画像のようなものか。



 ピカソの顔、そしてゴーギャンの楽園のリトグラフ。ちゃんと個性が出ている。ピカソの作品については、アレンジすれば諸星大二郎の漫画ではとも思った。
  





6.ナポレオン関連蒐集品
  ナポレオンにこだわったいろいろな収集品が、個人から寄贈され展示されていた。割と人気があった。
 胸像、セントヘレナに流された後のシャツと帽子を示す。

 

終わりに

 私にとって、この美術館はとても魅力的だった。特にデザインの展示をこれだけのボリュームで展示しているのは初めてだった。
 そして現代美術がバラエティに富んでいて、いろんな視点から抵抗なくみることができる。私が現代美術を楽しんでみるようになったのは、この美術館訪問以降。
 ファーストネーションに関しては、カナダという国が多民族国家として生きるためにはこれを解決しなければならないという覚悟が見られる展示だった。
 チャンスがあれば、もう一度観に行きたい。
コメント (4)
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