てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

シアトル航空博物館訪問の思い出(その1)

2021-01-11 02:43:00 | 美術館・博物館 等

 これまで、この10年間の美術館・博物館の思い出を書いてきたが、大きなものではこれが最後。2014年に行ったシアトルの航空博物館について分割して書きます。
 航空宇宙博物館としては、暫く前に書いたワシントンの博物館より大きい。書かずにおいていたら、屋外展示に屋根ができたらしい。
 
 ここには、ボーイングのエバレット工場でB787がライン組立されているのを見学した後に行った。
 入口の横に第2次世界大戦の頃の爆撃機が置いてあった。これは博物館とは別料金ということで行かなかったが、内部に入って機銃などの操作ができるらしくて、子供たちが入ろうとはしゃいでいた。


<別料金の爆撃機>

 
<機銃>


 この博物館の中は、多分飛行機好きにとっては夢の中の迷宮。これが見たいと言えば出てくるという場所に違いない。実際にこの博物館は、飛行機が好きでたまらないボーイングをリタイアした人たちが中心となって作ったものである。
 たくさんの見るべきものがあったが、ここでは下記を中心に写真があるもので特に印象深いものを記載する。

1.宇宙関連の展示
2.屋外展示(現在は屋根を作ったとのこと)
3.第1次/第2次世界大戦の航空機
4。吹き抜けの大ホール
5.ボーイングのかつての工場

 今回は2までを書きます。


1.宇宙関連の展示
 以前書いたが、フロリダのケネディスペースセンターに行って以来、宇宙機器展示が好きになったので、まずその分野を見に行った。
 宇宙関連の展示は、入場してすぐ左に歴史展示があり、別館に最近のものの展示があった。

 宇宙関連で、今も印象が強いもの4点を示す。

(1)ゴダードのロケット
 ロケットは蒙古襲来の頃からあったが、固体燃料のロケットだった。ロシアのツィオルスコフスキーが液体燃料のロケットが良いと主張し、アメリカのゴダードが液体燃料ロケットを初めて1926年に飛ばした。たかが高さ12mまで上がっただけだったが。
 下図の1番上の所がロケットで、下のほうにガソリンと液体酸素の入れ物がある。このロケットに使用した部品が並んでいる。噴射孔が溶けている。


<ゴダードのロケットの構造図:ロケットに噴射孔が一番上にあり、燃料タンクが噴射孔よりも下にある>

 

<展示品のほぼ全体>    <多分液体燃料/酸素の混合部>




<噴出孔 アルミ製で溶けている>


(2)真っ黒のボストークとマーキュリー宇宙船
 初期にソビエト連邦とアメリカが激しく宇宙競争をやっていた頃(月を目指して地球周回をやっていた頃)のボストーク宇宙船とマーキュリー宇宙船が並んでぶら下っていた。マーキュリーの三角形の形は知っていたが、ボストークがこんな丸い形をしているとは知らなかった。マーキュリーは試作機だろうけれども、ボストークは真っ黒に焦げていて、宇宙からの帰還の厳しさを示していた。


<手前:マーキュリー宇宙船、後ろ:ボストーク宇宙船>


(3)アポロの司令船
 地上訓練用のアポロ宇宙船の司令船があった。以前ケープカナベラルで見た時は、サターンロケットの大きさに圧倒されて小さいと思ったが、ここでは他の宇宙船の小ささから大きいと思った。しかし中を覗いてみると3人が月と往復する場所としてはやはり小さい。

 

<アポロ司令船の外観と中の状況>


(3)シャトルの貨物室
 スペースシャトルの貨物室から人工衛星が放出される状況が展示されていた。貨物室は18mで2枚の扉が観音開きのように開く。地上に降りる時にはそれがぴたりと閉まらなければならない。その大きさと宇宙での機体の歪を考えるとかなり難しいだろうと思い、何か機構的工夫をしているのかと、いろいろ見てみたがわからなかった。


<スペースシャトル 外観>


 

<貨物室 放出中の衛星を見る>


(4)シャトルのトイレ
 シャトルのトイレやシャワーがあり、人気を集めていた。下図はシャトルのトイレ。無重力で本来なら浮かんで漂うのを、強い空気の流れで吸い込んでしまうというものだった。面白いことに、トイレの基本はロシア製でそれにアメリカが改良を加えたもの。ちゃんと吸い込まないと船内を汚染するからメンテナンスが大変だったろう。



<スペースシャトルのトイレ>


4.野外展示(現在は屋根を作ったとのこと
 コンコルドやケネディが乗ったエアフォース1などの大型機が展示されていた。この2機について記す。

(1)コンコルド
 いつか記載しますが、コンコルドは就職後の初めての部長特命事項に関わっていて、ぜひ見たいと思っていた機体だった。
 部長はパリ→ブラジル線に乗ったのだが、帰国後に下記のような話をして自慢した。
 ①ワインが最高級品で、食事もフランス料理の最高級品だった。
 ②中は狭く、窓が絵ハガキサイズぐらい小さかった。
 ③主脚が電信柱見たいに長く、大きく傾いて離着陸する。
 ④飛んでいるときは非常に静か。(これは当たり前。エンジンの音は後ろのほうに置き去りにされるから聞こえない。)

 展示状態は、中に乗客を入れるために脚が折られていて、離着陸状態での足の長さは見ることは出来なかったが、機首部の折れ曲がりを確認して中に入った。確かに胴体の直径は小さく圧迫感を感じる。窓は絵ハガキサイズよりは大きくこれくらいなら我慢しなくちゃと思った。機体強度のためには窓はない方がよいが、閉所恐怖感との妥協点を考えたのだろう。



<コンコルド機首部:窓のすぐ下に曲線が見えるが、それが折れ曲がり場>



<コンコルドの脚、およびエンジン部 脚は離着陸時は長いが、現在折りたたまれている>

 

<客室内 狭い>      <窓 アームレスト基準とするとかなり小さい>


(2)エアフォース1
 ケネディ大統領が使っていたエアフォース1(SAM 26000)があった。なかなか機能的で、また空間の作り方がいいなと思った。



<エアフォースワン>



<United States of America の記載>

 

<打ち合わせや調整場所>



<ケネディ大統領やジョンソン大統領の電話等の場所>


コメント (2)
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