馴染みのない画家であったが、友人のお誘いで、奈良県立美術館へ
「不染 鉄」 3/10 迄
大正から明治にかけて活躍した。僧侶の息子として生まれ後、
継ぐことなく絵の道に進み、独自の境地を開いてゆく。
今までの日本画のイメージとは違う手法の、茅葺きの絵は
彼にとって心の故郷なのだろう。
葉書には必ず小さな文字で丁寧に文が綴られている。
夕暮れの茅葺きの家の人々の暮らしは、日本人の原風景を見る思い。
実に細やかな人の暮らしが描かれている。
説明文として
「母に逢いたい、好きな人に逢いたい、この灯は母に似ているねぇ
母ちゃんの柔らかい手や肌や乳房に似ているねぇ
そうだこの灯は母の心が映っている」
なんだか胸につ~んとくる彼の優しさと共に寂しさまで伝わってくる。
細かい描写はサインペンやボールペンを使ったとある。
日本画には見られない独自の表現に驚くばかり。
富士山の麓の家の細やかさ、手前の海の岩や波
銀杏の大木、黄金に敷き詰められた落ち葉、
あぁ~木の根元に小さな小さな観音様が描かれている。
やはり独自の表現に目を奪われる。
また一時奈良に居を構えた彼は、上村松篁との合作を残す。
枯れた林を不染が、白鷺を上村が扇面に描かれたのが目を引く
今日は最近になく感動した絵の鑑賞だった。
誘ってくれた友人に感謝。
絵はnetより拝借
美術館を出て飛び火野へ向かう途中の春日原始林
皆は参道を歩くが二人は森の中に入り、大樹と向き合うことしばし。
鬱蒼と茂る大木
この樹に後ろの竹藪の根が幹の中から生えている珍しい合体樹
京都御苑では見られない原生林
この樹の前に座って描いてみたいね。
しかし、この迫力には負ける~
奈良はこれからお水取りの行事が始まる
二月堂の塔頭の僧侶たちがお籠もりをしている
その印に寺の入り口にこの飾りが釣ってある
いよいよ752年から休まず続く修二会、1273回が始まる
「不染 鉄」 ・・初めて知りました。
本当に日本の原風景という感じですね。
おそらく夕庵さんの頭の中には何首もの短歌が浮かんだのではないですか?・・・
そして 春日原始林の大木たちも夕庵さんの心を動かし、感じるものがたくさんあったのではないでしょうか。
これぞ「威風堂々」「正々堂々」を思わせ、威厳をも感じますね。
私がその場に立ったとしたら・・・自分のあらゆる面での小ささを感じることと思います。
気持ちのいい朝を迎えました。
はじめて知った画家、「不染鉄の絵」に改めて日本の原風景を思いだし、また家族を特に母の温かさを思い起こさせてくれました。
仰るようにこの大木の前では小さな不満や心配事もなんのこと、吹き飛んでしまい、深い沈黙の中に心の中には満ち足りた安らぎを感じたものです。
shimaさんと少しは共有できたこと、とても嬉しく思いました。
素晴らしい克明描写感銘をうけました。ネ
富士山の絵の前でじっとみていました。向こう側日本海までこちら駿河湾お魚まで心うばわれました。
つぎは原始林ー梅林-二月堂のお水取りの行事も感じ奈良散歩ありがとう。
期待以上の日本画に見とれました。
このような隠れた素晴らしい画家がたくさん
いたのでしょう。
もっと世に問うべきだと思いました。
あなたもずいぶん学習したと思いますので
これからの絵に影響することでしょう。
楽しみにしていますね。