(写真)アガスタシューの花
「アガスターシュ」は、サルビアのような口唇形のピンクの花を多数咲かせ柔らかい銀緑色の細長い小さな葉からはミントの香りがする。
耐寒性・耐暑性が強く、強健な植物で育てやすいのでそのうち日本でも人気になるだろう。
サルビアのような花の形態だがサルビアの仲間ではなく、カワミドリ(Agastache)属の仲間で世界には約30種があるという。
その大部分は、北アメリカ・メキシコに自生するが、日本にも「カワミドリ」1種が存在する。
良く知られた「アニスヒソップ」もこの仲間だが葉が大きいので区別しやすい。
この植物を昨年の秋に園芸店で購入したが、「アガスターシュ」としか書かれていなかった。原種ならば30種のうちの何かであり、これらを交雑した園芸品種かもわからない。
いろいろあたってみたが“品種名が良くわからない”。
わかったことは、英米では園芸品種を含めて結構人気がある花のようだが、日本ではまだ普及していない。だから属名の「アガスターシュ」で通用しているのだろう。
だが欧米系のサイトでは、信じられないほど写真画像の精度が悪く一対一のつけあわせが出来難い。
時間をかけて調べることとするが、本当は、日本の園芸店が植物個体の特徴を認識させるために学名を記述するのがスジであり、この認識に欠けているのが現在の園芸店及び育種企業でもある。是正して欲しいものだ。
しいて言えば、品種名の候補を二つに絞り込んでみた。
最初の候補は、「アガスターシュ・カーナ(Agastache cana (Hook.) Woot. & Standl.)」
英名では、「テキサス・ハミングバード・ミント(Texas Hummingbird Mint)」、「モスキュートプラント(mosquito plant)」と呼ばれ、アメリカ・テキサスからメキシコ北部の山麓の乾燥した斜面に自生する。
花穂を伸ばしピンクの筒状の花を多数咲かせる。この花の色だけでは決め手とならないが最も近そうだ。
二つ目の候補が「アガスターシュ・アウランティアカ(Agastache aurantiaca (A.Gray) Lint & Epling)」であり、この種の特色は橙色の花色でちょっと違うかなと思いつつもその園芸品種の可能性も否定できない。
ただ、「アウランティアカ」には面白い謎を見つけてしまった。
この植物の原産地は、アメリカ南部からメキシコにかけて自生していて1885年にメキシコのチワワの南西部で「Palmer, E」が採取したことになっている。「Palmer, E」に該当するのは、Palmer, Elmore (1839-1909)、Palmer, Edward (1829-1911)の二名がいてどちらかが良くわからない。さらに、Palmer, Elmoreに関しては情報があまりない。
多分、エドワード・パーマー(Palmer, Edward 1829-1911)ではないかと思うのだが、彼は、メキシコ・アメリカ南部でプラントハンティングを行い1200種以上の新種を発見している。
このブログでも、サルビア・パテンス、ジャーマンダーセージ、サルビア・ミクロフィラなどでパリー(Charles Christopher Parry 1823-1890)と一緒に探検をしプラントハンターとして活動していることを取り上げた。
パーマーは、英国で生まれ1849年に米国に移住し、独学で植物学を学びプロのプラントハンターとなった人物であり、アメリカ南部・メキシコの植物探索をハーバード大学・スミソニアン協会から依頼を受けて行ったという面白い人物だ。
(写真)アガスターシュの立ち姿
アガスターシュ・カーナ
・シソ科カワミドリ属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Agastache cana ( Hook. ) Wooton & Standl. 英名は「テキサス・ハミングバード・ミント(Texas Hummingbird Mint)」、「モスキュートプラント(mosquito plant)」
・原産地は中央からアメリカ・テキサスからメキシコ北部の山麓の乾燥した斜面
・草丈60㎝程度
・開花期は6~10月で茎の先に紅紫の小花が密集した穂状が立ち上がる。
・全体からアニスに似た香りがし、アメリカの先住民は咳止めとして利用した。ハーブティ、サラダの香り付けにも利用される。
命名者
フッカー卿(Hooker, William Jackson 1785-1865):イギリスの植物学者でバンクス卿後の低迷したキュー植物園を立て直した。
ウートン(Wooton, Elmer Ottis 1865-1945):ニューメキシコの植物誌を書いた植物学の教授。
スタンドレイ(Standley, Paul Carpenter 1884-1963):アメリカの植物学者、メキシコ・グアテマラ・コスタリカの植物学に貢献。
「アガスターシュ」は、サルビアのような口唇形のピンクの花を多数咲かせ柔らかい銀緑色の細長い小さな葉からはミントの香りがする。
耐寒性・耐暑性が強く、強健な植物で育てやすいのでそのうち日本でも人気になるだろう。
サルビアのような花の形態だがサルビアの仲間ではなく、カワミドリ(Agastache)属の仲間で世界には約30種があるという。
その大部分は、北アメリカ・メキシコに自生するが、日本にも「カワミドリ」1種が存在する。
良く知られた「アニスヒソップ」もこの仲間だが葉が大きいので区別しやすい。
この植物を昨年の秋に園芸店で購入したが、「アガスターシュ」としか書かれていなかった。原種ならば30種のうちの何かであり、これらを交雑した園芸品種かもわからない。
いろいろあたってみたが“品種名が良くわからない”。
わかったことは、英米では園芸品種を含めて結構人気がある花のようだが、日本ではまだ普及していない。だから属名の「アガスターシュ」で通用しているのだろう。
だが欧米系のサイトでは、信じられないほど写真画像の精度が悪く一対一のつけあわせが出来難い。
時間をかけて調べることとするが、本当は、日本の園芸店が植物個体の特徴を認識させるために学名を記述するのがスジであり、この認識に欠けているのが現在の園芸店及び育種企業でもある。是正して欲しいものだ。
しいて言えば、品種名の候補を二つに絞り込んでみた。
最初の候補は、「アガスターシュ・カーナ(Agastache cana (Hook.) Woot. & Standl.)」
英名では、「テキサス・ハミングバード・ミント(Texas Hummingbird Mint)」、「モスキュートプラント(mosquito plant)」と呼ばれ、アメリカ・テキサスからメキシコ北部の山麓の乾燥した斜面に自生する。
花穂を伸ばしピンクの筒状の花を多数咲かせる。この花の色だけでは決め手とならないが最も近そうだ。
二つ目の候補が「アガスターシュ・アウランティアカ(Agastache aurantiaca (A.Gray) Lint & Epling)」であり、この種の特色は橙色の花色でちょっと違うかなと思いつつもその園芸品種の可能性も否定できない。
ただ、「アウランティアカ」には面白い謎を見つけてしまった。
この植物の原産地は、アメリカ南部からメキシコにかけて自生していて1885年にメキシコのチワワの南西部で「Palmer, E」が採取したことになっている。「Palmer, E」に該当するのは、Palmer, Elmore (1839-1909)、Palmer, Edward (1829-1911)の二名がいてどちらかが良くわからない。さらに、Palmer, Elmoreに関しては情報があまりない。
多分、エドワード・パーマー(Palmer, Edward 1829-1911)ではないかと思うのだが、彼は、メキシコ・アメリカ南部でプラントハンティングを行い1200種以上の新種を発見している。
このブログでも、サルビア・パテンス、ジャーマンダーセージ、サルビア・ミクロフィラなどでパリー(Charles Christopher Parry 1823-1890)と一緒に探検をしプラントハンターとして活動していることを取り上げた。
パーマーは、英国で生まれ1849年に米国に移住し、独学で植物学を学びプロのプラントハンターとなった人物であり、アメリカ南部・メキシコの植物探索をハーバード大学・スミソニアン協会から依頼を受けて行ったという面白い人物だ。
(写真)アガスターシュの立ち姿
アガスターシュ・カーナ
・シソ科カワミドリ属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Agastache cana ( Hook. ) Wooton & Standl. 英名は「テキサス・ハミングバード・ミント(Texas Hummingbird Mint)」、「モスキュートプラント(mosquito plant)」
・原産地は中央からアメリカ・テキサスからメキシコ北部の山麓の乾燥した斜面
・草丈60㎝程度
・開花期は6~10月で茎の先に紅紫の小花が密集した穂状が立ち上がる。
・全体からアニスに似た香りがし、アメリカの先住民は咳止めとして利用した。ハーブティ、サラダの香り付けにも利用される。
命名者
フッカー卿(Hooker, William Jackson 1785-1865):イギリスの植物学者でバンクス卿後の低迷したキュー植物園を立て直した。
ウートン(Wooton, Elmer Ottis 1865-1945):ニューメキシコの植物誌を書いた植物学の教授。
スタンドレイ(Standley, Paul Carpenter 1884-1963):アメリカの植物学者、メキシコ・グアテマラ・コスタリカの植物学に貢献。