モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

サルビア・インディゴスパイヤー(Salvia 'Indigo Spires')の花

2009-07-29 11:00:00 | セージ&サルビア
(写真)サルビア・インディゴスパイヤーの花


初夏から霜が降りる頃まで美しい青紫の花が咲き続ける「サルビア・インディゴスパイヤー」は、偶然に誕生した自然交雑のハイブリッド種で、日本では「ラベンダーセージ」と呼ばれている。

草丈1.5mで上方だけでなく横にも広がる勢いがすごく、地植えすると木質化し木のようになる。耐寒性が弱いようだが関東以西では地植えが可能で、剪定をしないと四方八方に成長する。

初夏に花穂を伸ばしこの花穂は30cmも伸び、時に渦巻き状になり、青紫の美しい小花を多数咲かせる。この咲きそろった姿は壮観でもある。

        

偶然に発見されたインディゴ・スパイヤー
S.インディゴ・スパイヤーは、カルフォルニアにある「ハンティングトン植物園」で、1970年代に偶然発見され、1979年には普通に栽培できるようになった。

発見者は、ハンティングトン植物園の学芸員マグレアー(John MacGregor)で、“ミツバチの好意でつくられた”自然交雑のハイブリッド種であり、その花姿から、“Indigo Spires(=藍色のせん塔)”と名付けた。

まさに、次から次と咲く花穂は30cm以上もあり、教会などの尖塔に似ている。
ただ、直立ではなく無鉄砲なところがチョッと違う。

S.インディゴ・スパイヤーが発見された場所では、
“Sslvia farinacea” と “Salvia longispicata”が咲いており、両方ともメキシコ原産のサルビアだが、この両種が交配して出来たのが“Salvia Indigo Spires”だといわれている。

インディゴ・スパイヤーの親元の履歴
それでは、親元を確認してみると、 “S.ファリナケア”は、日本でもなじみの花でブルーサルビアとも呼ばれ、初夏から晩秋まで紫色の花を咲かせるが、耐寒性がないため1年草扱いされる。
かつて栽培していたが、1年草は手間がかかるためいまは手を出していない。

もう一方の、 “S.ロンギスピカタ”は、日本ではまだなじみがなく私も初めてだ。

この花は、1840年にメキシコの南西地域でベルギーの植物学者ガレオッティ(Galeotti, Henri Guillaume 1814-1858)によって発見・採取された。
彼は、1835年から5年間メキシコの植物相調査を行っており、このときに発見したようだ。

なかなか良さそうな花と思うがどうだろう。

このように確認してみると、草丈は短いが、花姿は“S.ファリナケアから受け継ぎ、
S.ロンギスピカタからは、無鉄砲に発育するところを受け継いだのであろうか?
ハイブリッド品種を作り出す交配に手を出すと面白いが、一年に一回のチャンスの蓄積で出来上がるのできっと人生の短さをも味わうのだろう!

「ハンティングトンボタニカルガーデン」について
ハイブリッド種が作出された『ハンティングトン植物園』は、ロスアンゼルス・サンマリノ市にあり、25万坪の庭園に美術館・図書館・植物園などがある観光名所となっているが、元は鉄道王といわれたヘンリー・ハンティングトン(Henry Edwards Huntington 1850–1927)の邸宅であり、晩年の1919年に土地・建物・コレクションなどを財団に寄贈し今日に至っている。

(写真)ハンティングトン植物園にある日本庭園

(出典)ハンティングトン植物園

美術品などの収集は、叔父コリス・ハンティングトン(Collis Potter Huntington 1821 – 1900)の妻アラベラ(Arabella Huntington)が貢献しているが、叔父の死後の1913年にヘンリー・ハンティングトンと再婚している。

このコリス・ハンティングトンは、初代の鉄道王といっても良いが、フェルメールの『リュートを調弦する女』を所有していた人物でもある。

(写真)サルビア・インディゴスパイヤーの立ち姿
        

サルビア・インディゴスパイヤー(Salvia 'Indigo Spires')
・シソ科アキギリ属の半耐寒性の多年草。関東以西では戸外でも越冬できる。
・学名は、Salvia cv Indigo Spires。 ブルーサルビア(S.farinacea)とS.ロンギスピカタ(S.longispicata)との交配で作られたといわれる。
・英名は Indigo spires sage、園芸店では、ラベンダーセージ(Lavender Sage)で流通する。
・草丈は、50~150cm、横にも同じぐらい広がる。支柱を立て風対策をする。
・春先に剪定し草丈を低くして花を咲かせることが出来る。
・開花期は、6~10月と長期間咲く。咲き終わった花序をカットすると次から次へと花穂を伸ばし長期間咲き続ける。
・さし芽で殖やす。10月頃に剪定をかねて切った枝をさし芽する。
・冬場は、地上部を10cm程度残しカットし、腐葉土などでマルチングする。

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