モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ラベンダー、グロッソ(Lavender Grosso)の花

2009-07-09 10:00:35 | ローズマリー&ラベンダー
(写真) グロッソ・ラベンダーの花


フランス南東部で作出されたラバンディン系統(Lavandula × intermedia Loisel.)には31種の交雑種があるという。

この“ラバンディン系統”は、イングリッシュラベンダー或いはコモンラベンダーとも呼ばれるラベンダーの中のラベンダ、“アングスティフォリア系(L.angustifolia)”と、この種よりも標高が低い600m以下の南ヨーロッパの山麓に自生する耐寒性に優れた「スパイクラベンダー」との自然交雑或いは人為的な交雑によって生まれた品種である。

最初の“ラバンディン”は、1920年代の後半に自然交雑で誕生した「アブリアリ(Abrialii)」で、これをクーロン技術で殖やし香りの良い精油を生産するラベンダーとなった。
しかし、土の中の細菌で1970年には全滅したという。

これに取って代ったのが耐暑性・耐病性に強い丈夫で育てやすい「ラベンダーグロッソ」であり、ラベンダー精油の救世主となった。

「ラベンダーグロッソ」は、いまでは“ラバンディン系統”の代表的な品種で、グロッソ(Pierre Grosso)によって1972年にフランス南部にあるラベンダーの名所プロバンスのVaucluseというところで作出された。

という説と、この地で自然交雑した品種を誰かが発見し、クーロンを作る技術を有したラベンダー育種家として著名なグロッソの名前を付けた。という二つの説があり良くわからない。

どちらでもいいが、どうも自然交雑した種を発見し、これを育てるところにグロッソが関与したという後者の説が良さそうだ。

この「ラベンダーグロッソ」が発見されたので、精油を取る商業栽培品種として広まっていったが、いまでは、その葉・花・香りの良さが評価され観賞用の園芸品種として普及している。


我が家の「ラベンダーグロッソ」は、瀕死の状態にあったが、鉢を替え日陰に置いておいたら復活し今年初めて開花した。

特徴としては、他のラベンダーと較べて耐暑性が強いので気温の高いところでも日陰で風通しの良いところなら育つようだ。
地植えすると3年で大株に育つので場所を考えないといけない。それまでは、開いた空間に一年草とかグランドカバー的な植物を植えるとか工夫が必要だ。

どうもラベンダーとは相性が悪いようでなかなか定着しないが、復活したラベンダーは初めてだ。

(写真)ラベンダーグロッソの葉と花


ラベンダー、グロッソ(Lavender Grosso)
・シソ科ラバンデュラ属の耐寒性がある常緑の小低木。
・学名:Lavandula × intermedia Loisel. 'Grosso'
・1972年にフランスのVaucluseで発見され、グロッソ(Pierre Grosso)の名がつけられたラバンディン(Lavandin)系の交雑種。
・ラバンディン系のラベンダーは、L. angusutifolia(アングスティフォリア)と  L. latifolia(ラティフォリア)の交雑種をいう。
・ラベンダーの中では開花期が遅く、6月中旬頃から長い花茎をのばしその先に花穂をつけ紫色の小花が咲く。
・排水性のよい土壌で日当り風通しが良いところで育てる。夏場は半日陰が良さそうだ。
・種では殖やせないので、カッティングでさし芽で殖やす。

命名者
Loiseleur-Deslongchamps, Jean Louis August(e) (1774-1849)
フランスの医師・博物学者・植物学者

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