モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

サルビア・シナロエンシス(Salvia sinaloensis)の花

2009-07-20 08:56:39 | セージ&サルビア
(写真)サルビア・シナロエンシスの花


学名が「サルビア・シナロエンシス」、流通では「コスミック・ブルーセージ」で通っている。

赤紫の茎と緑の中に赤紫が入った葉は、原産地メキシコのシナロアの山麓の地肌にあわせて目立たない存在となっているが、そこから茎が伸び、最初は倒れ気味に、そして徐々に直立する。

その茎の周りに輪状につぼみがつき、陽の当たる方向から開花する。

花は、5~10㎜程度と小さいが、濃いブルーが陽に当たりさらに青を増す。
花びらの中央に白い線が二本入り、遠くから見た飛行機の着陸誘導線のようでもあり、蜂たちに蜜のありかに誘っているかのようだ。

サルビア・シナロエンシスは、草丈15~20㎝程度で横に広がる。
グランドカバーとしても利用され、秋ごろから赤紫に染まった葉にも魅力がある。

この花は、1897年にアメリカのボタニスト、ローズによって発見採取されたが、英国・フランスの庭にお目見えしたのが1980年代からのようであり、日本での普及はこれよりも遅れてつい最近のことのようだ。

(写真)サルビア・シナロエンシスの葉と花
        

サルビア・シナロエンシス(Salvia sinaloensis)
・シソ科アキギリ属の半耐寒性名多年草。
・学名は、Salvia sinaloensis Fernald。英名がシナロアセージ(Sinaloa sage)、シナロアブルーセージ(Sinaloan Blue Sage)、流通名が、コスミックブルーセージ(Cosmic blue sage)。
・原産地はメキシコのシナロア州。それで、シナロエンシスといわれる。
・花の時期は6月~10月。夏休みがあり秋にまた咲き始める。
・草丈 30cm ~ 50cm でほふく性がある。グランドカバーとしても美しい。
・半耐寒性の多年草だが、関東では戸外で越冬する。ただし、マルチングする。
・日あたり、水はけがよく、軽い乾燥した酸性土壌を好むのでピーとモスを混ぜるとよい。
・葉は、秋には紫色を帯びる。

命名者:
Fernald, Merritt Lyndon (1873-1950)
アメリカの植物学者、17歳でハーバードの植物学教授A・グレイのアシスタントを務め、1897年の卒業語は教師として大学に残る。北東部アメリカの植物相の権威となりハーバード大学のグレイ植物園の責任者を務める。

        

サルビア・シナロエンシス発見にまつわる人々
メキシコのシナロアで発見されたので、シナロアセージとも呼ばれるが、発見者はローズ(Rose, Joseph Nelson 1862-1928)で、この花が最盛期の1897年7月Sierra Madreの山麓にあるシナロアで採取した。

彼は、米国の植物学者で、米国農務省で働き1896年にはスミソニアン博物館の副館長になる。また、国立博物館に雇用されている頃には、サボテン、パセリなどを含む領域でのアメリカでの権威となり、メキシコ探索をたびたび行い、採取した標本をスミソニアン博物館、ニューヨーク植物園に提供した。
この中にS.シナロエンシスが入っていた。

わき道にそれるが、
ローズは,サボテンに関して、最初のニューヨーク植物園長であるブリトン(Nathaniel Lord Britton 1875-1934)との共同研究を行い、その植物画を描いたのは、英国生まれのMary Emily Eaton (1873-1961)だった。

彼女は、イングランドのサマーセットにある美術学校を卒業し、1911年~1932年までニューヨーク植物園にアーティストとして採用される。
彼女が描いたサボテンの植物画はサボテンの魅力を高める素晴らしい絵となっている。
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