モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ロシアンセージ(Russian sage)の花

2009-07-13 07:58:52 | セージ&サルビア
(写真)ロシアンセージの花


「ロシアンセージ」の原産地は、山岳地帯でもあるアフガニスタンの北東部。
山と山の間を絹の道(シルクロード)が通り、いにしえは隊商が行きかう繁栄したところで、この路傍に咲いていたという。

谷間といっても標高3千メートル以上もあるところであり、苛酷な自然環境に磨かれたたくましさがあり、乾燥に強く耐寒性も強いが、日本の高温多湿には弱い。

だが、丈夫なことは間違いない。
ほおっておくと大株になるので、春に新芽が出たところで摘心をする。

梅雨時になると、透きとおった青紫の花が咲きはじめ、茎の頂上を目指して駆け上がる。

灰緑色の切れ込みのある葉と茎。そこにわずか10㎜に満たない盾と矛を思わせるような小花が咲き、薄青く霞んだような情景を作り出る。

セージの名がついているが、セージが属するアキギリ属ではない。
セージに似た薬臭い香りを発するので、(ロシアン)セージと名付けられた。

(写真)ロシアンセージの立ち姿
        

ロシアンセージ(Russian sage)
・シソ科ペロフスキア属の耐寒性がある落葉性の低木。アキギリ属ではないのでサルビアではない。
・学名は、Perovskia atriplicifolia Benth.。英名がRussian sage(ロシアンセージ)
・原産地は、アフガニスタン、イランなどの陽が当たる茂みに生育。
・草丈は、1~1.5mだが、摘心をすると50~60㎝に出来る。
・透きとおった青紫の小花が7月~10月頃まで咲く。
・葉は灰緑色の切り込みがある。花壇の奥とか縁取りに適している。
・乾燥に強いが多湿には弱い。
・毎春根元から刈り込む。

名前の由来
属名のperovskiaは、ロシアの将軍で政治家ペロフスキ、V. A. Perovski (1794-1857). または、BA Perovskiの名前に因む。
種小名のatriplicifoliaは、ラテン語ハマアカザに似た葉atriplici+folia。(folia葉leaf)

命名者:Bentham, George (1800-1884)は、英国の植物学者
コレクター:Grey-Wilson, Christopher (1944-) 以下に紹介。

        

発見者グレイ=ウイルソンとラピス・ラズリ
ロシアンセージは、アフガニスタン北東部にあるBadakhshan州で、1971年に英国人のグレイ=ウイルソン(Grey-Wilson, Christopher 1944- )などによって発見された。

クリストファー・グレイ=ウイルソンは、ヒマラヤを中心としたアジア、ヨーロッパの山岳の植物相を調査した探険家で、カーティスのボタニカルマガジンの編集者、キュー王立植物園の科学主任、カメラマン、ライター、園芸家、探検家でもあり、科学的な思考も有し、これらを統合したビジュアル化された植物図鑑を出版している。
クレマチスの分類体系の提案者としても知られている。

20世紀にはいると、植物相探索のフロンティアは、さらに極限に向かい、ヒマラヤ・アルプスなどの高山植物になった様子が伺える。

グレイ=ウイルソンたちがロシアンセージを発見したアフガニスタン北東部にあるBadakhshanは、古代からシルク交易で重要な道が交差するところで、ラピス・ラズリ(Lapis lazuli)の産地としても知られている。
このラピス・ラズリは、フェルメールが愛したブルーの原料であり大変高価でもあった。

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