モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

センダン(栴檀)の 花 と実

2009-08-09 09:22:51 | その他のハーブ
(写真)5月中旬のセンダンの開花


(写真)数多く咲くセンダンの花
        

(写真)せんだんの花咲く木(清水公園ハーブ園)
        

5月中旬にかすかな麝香のような香りに誘われ回りを見渡すと、10メートル近い巨木にこの花が咲いていた。
薄紫色に染められたプロペラの羽のようでありその数の多さが香りをもたらしている。

この花木の下にベンチがあり、優しいかぜと日陰に漂う芳香でしばしの休息が楽しめた。
散歩の快楽の時であったが、あらためて木についていたタグをみると「センダン(栴檀)」の木であり、これが花なのだと気づいた。


8月に同じ場所で休息していると、地面に青い実が落ちていた。
樹上を見ると数多くの実がなっていた。これが「センダン」の実なのだ。

(写真)センダンの実


「センダンは双葉より芳し」という諺で知られているがこれまで実物を意識してみたことがなかった。身近にあるものが見えるようになったことでうれしくなった。

諺の意味は、“センダンは芽が出た頃からいい芳香を放っているように優れた人物は小さい頃から際立っている。”と解するようだが、生活実感をなくしつつある諺と花木のようでもあったが急に身近に感じるようになった。

さらに追い討ちをかけるようだが、この諺の「センダン」は「ビャクダン(白檀)」のことであり、香木として貴重な存在であり、仏教とともに中国から伝来したという。しかも中国では「ビャクダン」のことを「センダン」と呼んでいてこの名前とともに伝来したのでこのような捻転が起こったようだ。

この頃の日本では、現在の「センダン」を「あふち(楝)」と呼称し、清少納言は“木のさまにくげなれど、楝(あふち)いとおかし”と木は好ましくないが花は愛でていた。

発見は、頭で覚えることとは違うリアル感があり楽しい。

(写真)センダンの実


センダン(栴檀)
・センダン科センダン属の落葉高木
・学名は Melia azedarach Blanco 。英名は White cedar、Chinaberry、Persian Lilac。ライラックのようでもあり生息地名をつけたライラックという別名が多い。
・和名は古名で“あふち(楝)”、別名としてアミノキ
・日本を含む亜熱帯・熱帯の森林の縁に自生する。
・樹高5-15mと成長する。
・葉には弱い芳香がありこの香に誘われるが除虫効果がある。
・開花期は初夏で淡い紫色の細長い5枚の花弁が多数咲き、7-8月頃に実をつけ10月頃に熟する。
・実は、生薬の苦楝子(くれんし)として、ひび、あかぎれ、しもやけに塗る外用薬とする。

命名者:
ブランコ(Blanco, Francisco Manuel 1778-1845)
ブランコは、スペインの修道士・植物学者であり、聖アウグスチヌスの修道士としてフィリピンに派遣されここで晩年に国中を旅行し1837年にフィリピンの植物誌を書く。この植物誌はリンネの体系に準じていてフィリピンの包括的な植物相としては初めての著作物。

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