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肉食の系譜
オルニトミムスとストゥルティオミムスの違い
このサイトで、獣脚類の中でもオルニトミムス類やテリジノサウルス類などをほとんど取り上げていないのは、彼らが植物食だからである。(食性による差別がひどい。)これはあんまりなので、ちょうど古生物学会で聞いてきた小林快次先生の「カナダ・アルバータ州南部産のオルニトミムス科の再検討」の内容から、ノート代わりに記録する。
北米産のオルニトミムス類については、Russelらによりオルニトミムス、ストゥルティオミムス、ドロミケイオミムスの3種類が記載されてきたが、化石が断片的であるか、または潰れていて形質が限られていたため分類は難しかった。90年代になって保存の良いオルニトミムスとストゥルティオミムスの全身骨格化石が発見されたため、初めて両者の詳細な比較研究ができるようになった。
まず、オルニトミムスとストゥルティオミムスとでは頭の大きさが異なり、ストゥルティオミムスの方が頭が小さい。大腿骨に対する頭骨の長さの比率をみると、有意に差があることがわかった。またオルニトミムスの頭骨では後眼窩骨に三角の突起があり、方形頬骨の後端に凹みがある。一方、ストゥルティオミムスでは頬骨の前方部分が2つに分かれているなどの特徴があることがわかった。
前肢をみるとオルニトミムスでは上腕骨がほっそりしているが、ストゥルティオミムスでは上腕骨が太くがっしりしている。中手骨には顕著な違いがあり、オルニトミムスでは第1中手骨が最も長いが、ストゥルティオミムスでは第1中手骨が最も短い。さらに末節骨は、ストゥルティオミムスの方が長くカギ状にカーブしているのに対して、オルニトミムスではより短くまっすぐである。
尾椎の前関節突起の内面に、オルニトミムスでは溝があるがストゥルティオミムスではのっぺりしている。これはオルニトミムス類の中でも尾椎の関節突起がよりしっかりと組み合い、尾が曲がらないようになる進化傾向があり、オルニトミムスは派生的な状態である。
またドロミケイオミムスの骨格を検討した結果、オルニトミムスの特徴が当てはまった。ただし、大腿骨に対する脛骨の長さは有意に長かった。よってドロミケイオミムスは別属ではなく、オルニトミムス属の別種と考えられるという。
北米産のオルニトミムス類については、Russelらによりオルニトミムス、ストゥルティオミムス、ドロミケイオミムスの3種類が記載されてきたが、化石が断片的であるか、または潰れていて形質が限られていたため分類は難しかった。90年代になって保存の良いオルニトミムスとストゥルティオミムスの全身骨格化石が発見されたため、初めて両者の詳細な比較研究ができるようになった。
まず、オルニトミムスとストゥルティオミムスとでは頭の大きさが異なり、ストゥルティオミムスの方が頭が小さい。大腿骨に対する頭骨の長さの比率をみると、有意に差があることがわかった。またオルニトミムスの頭骨では後眼窩骨に三角の突起があり、方形頬骨の後端に凹みがある。一方、ストゥルティオミムスでは頬骨の前方部分が2つに分かれているなどの特徴があることがわかった。
前肢をみるとオルニトミムスでは上腕骨がほっそりしているが、ストゥルティオミムスでは上腕骨が太くがっしりしている。中手骨には顕著な違いがあり、オルニトミムスでは第1中手骨が最も長いが、ストゥルティオミムスでは第1中手骨が最も短い。さらに末節骨は、ストゥルティオミムスの方が長くカギ状にカーブしているのに対して、オルニトミムスではより短くまっすぐである。
尾椎の前関節突起の内面に、オルニトミムスでは溝があるがストゥルティオミムスではのっぺりしている。これはオルニトミムス類の中でも尾椎の関節突起がよりしっかりと組み合い、尾が曲がらないようになる進化傾向があり、オルニトミムスは派生的な状態である。
またドロミケイオミムスの骨格を検討した結果、オルニトミムスの特徴が当てはまった。ただし、大腿骨に対する脛骨の長さは有意に長かった。よってドロミケイオミムスは別属ではなく、オルニトミムス属の別種と考えられるという。
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