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2023 新宿ミネラルフェア続き



ZoicにあったPaleopropithecusとかいう大型のキツネザル化石。



アフロヴェナトルの足の爪、50万円。白亜紀前期からジュラ紀中期になった件で年代が気になったが、ちゃんと中期ジュラ紀になっている。Afrovenator abakensis Callovian と書かれたラベルと、Afrovenator sp. Bajocian と書かれたものがあるので聞いたところ、微妙に層準が違うが推定方法が異なり、後者の方が新しい方法なので実は正しいのではないかと思っている、と言っていた。



中国遼寧省義県層のカエル、リャオバトラクス。



エルドニアにあるガリミムスの足。アルクトメタターサルのお手本。



なんらかの獣脚類の顎は、内側を見せてもらった。フランソワさんがいなかったので店番の方が照明を当ててくれた。歯間板が癒合していればカルカロドントサウルス類かアベリサウルス類かと思ったが、ほぼ失われていてわからないようだ。
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2023 新宿ミネラルフェア


住友ビル三角広場に移って2年目?かな。今回は隣のビルで、タイ料理のビュッフェが美味しかった。何しろメインの一品(麺類)を選ぶと、ガパオライスとタイカレー、サラダが取り放題なのでお腹いっぱいになった。
 例年、獣脚類の歯や頭骨キャストなどを買うのが常なのであるが、今年は初日に化石もレプリカも買っていない。欲しいものはあったが微妙に高くて手がでない感じであった。また、手に入るはずだったものが手に入らなかったことで、精神的ダメージを受けた。

昨年池袋でエルドニアの3Dプリンターの頭骨レプリカを、売り切れだったので追加注文しておいたのが、なんと製作者の都合でキャンセルされた。12月の時点ではOKだったのに、突然3Dプリンターの模型は作らないと一方的に言ってきたとのこと。それはないだろう。消息筋によると、非合法がばれて訴えられたのではないかという。確かにいかにも出所が不明の、怪しい感じではあったが、出来栄えはよかったのに。。なんてこった。



Zoicは景気がよくて、昨年のシーラカンス類や両生類のノジュールは大体売り切れ。店頭に並んでいたのは、ペルム紀の爬虫類バラサウルスや中新世のボスニアのケロトリトンというサンショウウオだそうです。



またメソサウルスの博物館レベルの全身化石、白亜紀のワニ、カメ、カエルなどが所狭しと。



恐竜の段は、モロッコに代わりニジェールの恐竜、翼竜などで、スコミムス、アフロヴェナトル、ルゴプス、アトラサウルス、シロッコプテリクスとされる歯その他。私が注目したのは、フラビオさんがオススメしてくるアフロヴェナトルの爪、25万円。他にルゴプスの爪14万円もあった。



Eldoniaは、ティラノ歯などキャストも材料費の高騰で値上がりしていた。化石はいいものがあるが、良すぎて買えない。ガリミムスの頭骨は値札がない。左はオヴィラプトル類の足指、魚竜の頭骨もあった。魚類、両生類、哺乳類、アンモナイトなど何でもある。全身骨格キャストは翼竜だけだったか。



ケムケムの何らかの獣脚類の顎、20万円。獣脚類の歯としてはイギリスのWessex formationのものがあり、ネオヴェナトルという歯は午前中に売却済みだった。私が欲しいものはやはり10万以上だった。

Georgeさんの所の歯は、相変わらずティラノ、ゴルゴ、アルバート、ナノティランヌスなど。小型ではアケロラプトル、ペクチノドン、パロニコドン、他のドロマエオサウルス類など。私が欲しいのはマーショサウルスだったがちょっと買えない。



今回購入したのは、なんとイタリアのTrilobite design からプセフォデルマPsephoderma という板歯類の復元模型。何を買ってるんだ私は。しかしこれは、カメさん的なキュートさもあり、なかなか癒されるものがある。部屋に飾ると圧倒的な非日常感を楽しめる。
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プロタトリティス


プロタトリティス・シンクトレンシスProtathlitis cinctorrensisは、前期白亜紀バレミアン(Arcillas de Morella Formation)にスペインのバレンシア州カステリョン県に生息した、バリオニクス亜科のスピノサウルス類で、2023年に記載された。
 属名プロタトリティスはギリシャ語でチャンピオンの意で、欧州サッカー連盟のUEFAヨーロッパリーグにおける、スペインのサッカーチームであるビジャレアルCFの戦績に基づくという。種小名は発掘地シンクトレスCinctorresからきている。

化石は断片的で、ホロタイプは右の上顎骨の断片と5個の尾椎である。

プロタトリティスは1つの固有形質と、いくつかの形質の組み合わせにより他のスピノサウルス類と区別される。プロタトリティスの固有形質は、上顎骨の前眼窩窩の前端に亜円形の窪みがあることである。これは上顎骨の側面(唇側)と背側の写真で見えているが、円形に近い形かどうかよくわからない。形質の組み合わせは、尾椎の横突起に2つの窪みと1つのバットレスしかなく、後方を向いている、関節面の輪郭が明確に楕円形である、などの細かい尾椎の形質からなる。

系統解析の結果、プロタトリティスはバリオニクス亜科の中で最も基盤的な位置にきた。スペインの同じArcillas de Morella Formationからは、スピノサウルス亜科のヴァリボナヴェナトリクスが発見されていることから、前期白亜紀バレミアンのイベリア半島はこれらの多様なスピノサウルス類の故郷であり、その後スピノサウルス類はアフリカやアジアに分布を広げたと考えられる。ヨーロッパ西部ではバリオニクス亜科が優勢であり、アフリカではスピノサウルス亜科が優勢になったのではないかという。

これはちょっと断片的すぎて、全身像を描くのは気が引ける。断片化石復元禁止法に抵触する。これよりはポルトガルのイベロスピヌスの方がまだ揃っている。しかしバリオニクス亜科は増えすぎのような気がする。

参考文献
Santos-Cubedo, A., de Santisteban, C., Poza, B. et al. A new spinosaurid dinosaur species from the Early Cretaceous of Cinctorres (Spain). Sci Rep 13, 6471 (2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-33418-2
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恐竜博2023 2回目

2回目はGW明けてからゆっくり、という計画であった。
スケリドサウルスはやたら細かく観察して写真撮ったりして。なるほど首の4列のトゲのあと、肩のところは1、2と小さくてその後の3番が再び大きくなり、4、5とそれなりに小さくなる。太もものヨロイは4〜5列くらいか。



ズール対ゴルゴの骨格は、後ろから見ると背景が森になっているのが良いですね。情景が浮かび上がります。そしてスロープを降りて前の方に回ると、さらに大迫力のアングルとなる。よく考えられている。



前回はズール対ゴルゴの絡みはいくつも撮ったが、ゴルゴ単品の絵は撮っていなかったのでそれを撮った。



やっぱりスコッティの方がいいな。この重厚な感じが。隣にいたご夫婦もスコッティの方がいいと言っていた。



3Dペーパーパズルは、マイプではなくゴルゴサウルスを購入。写真と組み立て見本を見て感じたのは、顔にちょっと違和感がある。吻の部分と眼窩の間に段差があるのである。これは、吻はかなり幅が狭いが眼窩から後頭部にかけてはそれなりに幅があるから、ティラノサウルスの場合は眼窩を斜めにしてつなぐところだろう。しかしゴルゴは眼窩がより横向きだから、幅が広い部分に組み込んだと思われる。実際はこのような段差はないので、そこがもうひと工夫かな。ペーパーパズルとしての設計上、難しいところかもしれない。デザインする方も大変ですね。全体としてはいいと思ったので購入したわけである。
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シノサウルス・トリアシクス(青)



これはディロフォサウルスと近縁かどうかわからないので、ディロフォサウルスの体形を参考にするのは危険だろう。あくまで中国のシノサウルスの骨格を参考にすべきだが、それは作られた年代も古く、ディロフォサウルス・シネンシスの時代なので一部ディロフォサウルスを参考にしているかもしれない。また過去に展示された復元骨格の姿勢には怪しいものがあり、なかなか厳しい。

厳密ではないが原始的なテタヌラ類として大体のイメージである。より正確には資料があればそのうち描こうと思っている。
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シノサウルス・シネンシス



過去の記事にもあるように、Hu (1993)には“ディロフォサウルス”・シネンシスとディロフォサウルス・ウェテリリの違いについては記述されていたが、シノサウルス・トリアシクスと“ディロフォサウルス”・シネンシスの違いはこれまで記述されていなかった。トリアシクスの詳細な研究がなされていなかったためである。Zhang et al. (2023) によってわかるようになった。

あらためてHu (1993)を開いてみると、このシノサウルス・シネンシスの頭骨はディロフォサウルスとはかなり異なり、全体としてアロサウルスのような頑丈な印象がある。しかしシノサウルス・トリアシクスとは、まあまあ似ているのかな、という感じである。

Zhang et al. (2023) によると、シノサウルス・シネンシスは以下の2つの点でシノサウルス・トリアシクスと異なる。1)シノサウルス・トリアシクスでは前上顎骨歯が4本であるが、シノサウルス・シネンシスでは前上顎骨歯は5本である。2)シノサウルス・トリアシクスでは鼻骨のとさかの側面に2つの貫通した孔(fenestra)があるが、シノサウルス・シネンシスでは窪みはあるが孔はない。

またシノサウルス・トリアシクスの特徴である形質はないことが大体わかる。シノサウルス・シネンシスでは鼻骨のとさかの側面と上顎骨の側面に稜があるが、その2つは位置がずれて食い違っており、トリアシクスのような一つながりの垂直な稜にはなっていない。
 一方、頬骨の前方突起は明確には示されていないが、心眼でみると前眼窩窓の腹側縁において、頬骨の前方突起はおそらく短いようだ。


参考文献
Ze-Chuan Zhang, Tao Wang & Hai-Lu You (2023): A New Specimen of Sinosaurus triassicus (Dinosauria: Theropoda) from the Early Jurassic of Lufeng, Yunnan, China. Historical Biology, DOI: 10.1080/08912963.2023.2190760

Hu, Shaojin (1993). A Short Report on the Occurrence of Dilophosaurus from Jinning County, Yunnan Province. Vertebrata PalAsiatica 31: 65-69.
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