◆解説◆ (「映画.com」より転載)
世界的人気を誇る日本発のゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話をハリウッドで映画化したレーシングアクション。
ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に熱中する青年ヤン・マーデンボローは、同ゲームのトッププレイヤーたちを本物のプロレーサーとして育成するため競いあわせて選抜するプログラム「GTアカデミー」の存在を知る。そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニーと、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいた。想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え、ついにデビュー戦を迎える彼らだったが……。
主人公ヤンを「ミッドサマー」のアーチー・マデクウィ、GTアカデミーの設立者ダニーをオーランド・ブルーム、指導者ジャックをデビッド・ハーバーが演じる。監督は「第9地区」のニール・ブロムカンプ。実在のヤン・マーデンボローがスタントドライバーとして参加している。
◆感想◆ (ネタバレありますので、閲覧は自己責任でお願いします!)
ソニーからプレーステーションが発売されたのって、1990年代の半ばごろかと思いますが(ちゃんと調べてない)、そのソフトのなかで衝撃的だったのが「グランツーリスモ」でした。とにかくリアリティが高く、第1作と第2作はずいぶんとハマりましたし、第4作ぐらいまでプレイするなかでステアリングコントローラの購入まで手を出して、自動車レースの世界にいるかのような気分を楽しんでいました。
そのグランツーリスモの世界から実際のレーサーを誕生させようというプロジェクト(実話)のことはもちろん知っており、とうとうシミュレーターがレースの入り口になりうるところまで来たのか……、と驚いたことはよく覚えています。
そんなバーチャルとリアルの境目がはっきりしなくなっていることがこの映画の特徴かと思います。
レースの走行映像がたぶん全編CGで、人が介在するところ(ピットとか)が実写なのだと思うのですが、その違いが全然見分けられませんでした。ここ十年ほどのレース映画は「ラッシュ -プライドと友情-」「フォードvs.フェラーリ」などがありましたが、そのいずれもレースの走行映像はすばらしかったです。その映像のクオリティの高さには「グランツーリスモ」というゲームが果たした大きな役割のことを感じずにはいられませんでした。
▼マシンの主役は日産GT-R (R35)。それを生産しているのは……
日産GT-Rと言えば、世界に誇る日本のスーパーカー。
それを生産しているのは、栃木県上三川町の日産自動車・栃木工場なのです。
日産自動車・栃木工場からほど近いインターパークの映画館(MOVIX宇都宮)で観賞しました。
そう。「日産GT-Rを作っている工場に世界でもっとも近い映画館で観た」のでした (笑)
▼ニュルブルクリンクでの事故のこと
このエピソードは知りませんでした。
「あれは事故だから」という主役側の観点だけの描写となっていて、観ていてすっきりしないエピソードになってしまいました。
▼フィーチャーされる日本
プレーステーションを生んだのはソニー。GTアカデミーを創設したのは日産自動車。
主人公が日本を訪れるシーンももちろんあって、日本が大きくフィーチャーされてました。
昨今のインバウンド需要の大きさの理由の一端を感じますねえ。
▼日本語吹き替え版の良さ<その1>
吹き替えの声優さんたちの良い声にニヤニヤしちゃいました笑。
主要キャストは、このような感じでした。(敬称略)
・ヤン・マーデンボロー:アーチー・マデクウィ(松岡禎丞)・・・本作の主人公
・ジャック・ソルター:デヴィッド・ハーバー(三宅健太)・・・ヤンを育てる優秀なチーフエンジニア
・ダニー・ムーア:オーランド・ブルーム(三木眞一郎)・・・GTアカデミーを発足させる人物
・ヤンの恋人オードリー:(鬼頭明里)・・・ヤンの恋人
・山内一典:平岳大
・ヤンの父役には大塚明夫さん
・ヤンの母役には園崎未恵さん
・ヤンの弟役には鈴木達央さん、
▼日本語吹き替え版の良さ<その2>
エンドロールで流れるT-SQUAREの「CLIMAX」は、レースの疾走感を感じさせる胸熱ナンバーでした。なお、このテーマ曲は、日本語吹き替え版のみ対応ということです。
本編映像<ルーキー VS ベテランたち>『グランツーリスモ』全国の映画館で上映中 #映画グランツーリスモ