「イボ」と言っていいのか分からないけれど、ほかに言いようがないのでしようがない。
クリの左前肢の肘あたりにできたイボは、2年くらい前には小指の先ほどだったのに、今で親指大の大きさになり、肘からぶらさがっている。
こんなに肥大してしまった。体の成長は止まっているのに、こういった出来物は成長していくのだから、実に不思議だ。
小学1年生の姪っ子に「おばちゃん、クリの足にウンコ、ついてるよ」と言われたときには、本当にクリが可哀想になった。う~ん、確かに、そんなふうに見えないでもないけど…、それはあんまりだ
「違うのよ~、これはイボだよ」と言ったものの、
「イボって、なあに?」と聞かれて、うまい説明が思い浮かばない。
「一種のできものかなあ」
「できものって、なあに?」
「ううん、皮膚がね、ぽちっと盛り上がって、それが大きくなって……」
と一生懸命答えを探しているうちに、腑に落ちない表情をしながら「ふうん」と言い残して、姪っ子はあっちへ行ってしまった。
付け根は直径5ミリ程度で、肥大したそれがぶら下がっている。ぶらぶらしているので、千切れてしまうのではないかと心配だ。イボの付け根を糸で縛っておけば、自然とポロリと取れるなどと、昔よく年寄りから聞いていたので、そんなことを獣医さんに言ったら「ううん、それはあまり進められませんねえ」と失笑を買ってしまった。
「もし千切れてしまったら、どうしたらいいでしょうか?」と間抜けな質問をする私。すると、当然のことながら、まずは止血。「それには多少痛いと思うけれど、『クイックストップ』を押し当ててください」と言う。
「クイックストップ」は犬や猫の爪切りの際、深爪で出血したときに、トリマーさんたちがよく使う粉末の止血剤である。
以前は常備していたけれど、成犬になった犬たちの血管を傷つけるほど切り詰めることはないので、というか、黒犬の黒い爪だと内部の血管が見えないため、怖くて、いつも申し訳程度にしか切らないのです。それでクイックストップも買い置きをしなくなったのでした。
にもかかわらず、昨年12月、うっかりクリの爪の血管を切り、全然血が止まらなかったので、慌てて酒井先生に分けてもらいに行ったため、今はうちにある。
クイックストップを調達しに行っている間も、クリの爪からは血が出続けていて、帰ったら床が血だらけだったけれど、クイックストップを使ったら、さすがにすぐ血が止まった。「クイックストップ」の名前どおりなのです。で、先生は取りあえずそれで、イボの傷口を止血しなさいと言うのです。
クイックストップの主成分は塩基性硫酸第二鉄。強い酸化剤と考えれば分かりやすく、一瞬のうちに患部を酸化させる、つまり瞬間的にやけどを負わせて止血してしまうといった感じらしい。爪の血管くらいならクイックストップを少量押しつけておけば、すぐ血も止まるけれど、イボが千切れた傷口に押しつけられたら、かなり痛そうだな。
クリには「このイボを天国にまで持って行ってね」と話して聞かせているのだけど、どうか千切れずに、そして、もうこれ以上大きくなりませんように。
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