昨夜7時からテレビ朝日の「ドキュメンタリー宣言」という番組で、「小さな命を救え!-密着!新生児救命24時」という特集を放映していました。
新生児医療では全国でもトップレベルの神奈川県立こども医療センターに、200日間密着した取材ものです。番組で、ある本の制作でお世話になっている新生児科医長の豊島勝昭先生が、スーパードクターとして紹介されていました。
新生児・小児医療に関しては、全国的に医療設備もマンパワーも不足しており、少子化と叫ばれて久しいものの、子どもたちを守る政策は遅々として進んでいません。
そんななか、豊島先生たちはNICU(新生児特定集中治療室)で日夜、早産児やさまざまな疾患を持って生まれてきた赤ちゃんの命を救うべく、闘っています。その働きぶりには本当に頭がさがります。
乳児死亡率は年々減っていますが、2500g以下の低出生体重児は増えているそうで、今や10人に1人が低出生体重児を出産する時代になったのだそうです。帝王切開での出産も増えているといいます。
自分の母親のおなかを借りて赤ちゃんを手にする人もいて、その子にとってはおばあちゃんのおなかから生まれてきたという、何とも複雑な心境にならざるを得ないようなことも可能になっている時代ですから、医療技術や医療機器の進歩は目覚ましいに違いありませんが、それでも救えない命があることに向き合いながら、葛藤を続ける豊島先生をはじめ、新生児医療に携わる人たちの苦悩は、技術レベルの向上や最新機器の導入に比例して、逆に深まっているのではないだろうかと、ふと思ったりもしました。
周産期医療の現状を知るには、この2冊が分かりやすく、とても勉強になりました。いずれにも豊島先生が登場しています。
『産科医療崩壊』軸丸靖子著/ちくま新書(720円+税)、『安全なお産、安心なお産』河合蘭著/岩波書店(1600円+税)
また、小児医療に心血を注ぎながらも、社会、行政の仕組みに押しつぶされてしまった先生がいることも知っておかなくてはなりませんね。
「小児科医師中原利郎先生の過労死認定裁判を支援する会」
http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/
署名用紙は http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/shomei.htm