福島第一原発の放射能汚染が進むなか、生産者&消費者の目の届かないところで、またしても未来の子どもたちへ負の遺産を残すかもしれない認可申請が出されている。
「枯れ葉剤」を製造し、遺伝子組み換え作物の種子を量産しているアメリカの化学薬品メーカ・モンサント社が、農水省にセイヨウナタネ・トウモロコシ・ワタなどの遺伝子組換え作物の栽培・流通・輸入等を可能にするよう、申請を出している。
モンサント社はかつて、遺伝子組み換え作物の除草剤残留濃度が、基準値を超えてしまうという都合の悪い実験結果に対して、基準値を上げさせて安全であることにしたという巨大企業だ。
放射性物質に汚れた作物を流通させるため、被災者がパニックになるから、などという理由で、暫定規制値を上げた構図と同じじゃない?
「アグリビジネスの巨人“モンサント”の世界戦略」
http://www.veoh.com/watch/v14247268KysQzHds
TPP遺伝子組み換え条約について
http://blogs.dion.ne.jp/tanpopo0817/archives/9944429.html
遺伝子組み換え作物の輸出入の拡大は、遺伝子組み換え作物と在来種との交雑や遺伝子組み換え作物の国内の農地への拡散、「スーパー害虫」の登場など、さまざまな環境問題につながるのではないかと懸念されている。
現時点では遺伝子組み換え作物がどのような問題が起こし、それがどれだけ深刻なことになるのかを予測することは不可能だ。だからこそ予防という観点からの規定も必要だろうと思う。
一方で「世界的な穀物価格が高騰し、食料危機も懸念される今、遺伝子組み換えを推進すべきだ」という意見もある。
農水省は生物多様性影響評価を行った結果、学識経験者(御用学者?)は「生物多様性への影響がある可能性はない」という、どこぞのデタラメ委員長のような言い回しの意見を得て、「生物多様性に影響が生ずる恐れはないと判断している」ようだ。
果たして信頼できる判断だろうか。今、起きていることをみれば、政府の発表に疑問符をつけるのは当然である。
既得権益がその判断を曇らせていたら?
もし、その判断が間違っていたら、環境に負荷を与えず、消費者に安心できる作物を供給しようと頑張ってきた農家さんたちの努力が水の泡になってしまう。農地が汚れるということは、川も海も汚れるということだ。
今回の原発事故がきっかけとなり、知らないこと、気づこうとしないことが、本当はたくさんあったこと、たくさんあることに気がづいた。
知って怒っても怒りっぱなしで何も意思表示をしなかった自分に対して、これではいかんのじゃないかと反省した。
農水省および環境省は、5月23日から6月21日までの間、これらの遺伝子組換え作物承認に関するパブリックコメントを求めている。
生産者&消費者が意見を述べないと、知らない間に認可・承認されてしまう。
賛成であろうと、反対であろうと、何について疑問かなどなど、国民がそれぞれの声を伝えて行くことが大事だと思う。
まあ、それには、すべての国民の耳に届くように、問題提起されなければいけないのだけど。
農水省パブリックコメントのサイト
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/110523.html
環境省パブリックコメントのサイト
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13803