坂本九ちゃんが歌った“幸せなら手をたたこう”の歌がある。この歌詞の中に、「みんなで手をたたこう」という節がある。今の世の中、この「みんな」が段々少なくなってきたように思う。価値観の多様化など理由はいろいろあるが、みんなで取組むことで、より一層の力が発揮されると思っている。
また東日本大震災の時、“花は咲く”の歌の中に、「私は何を残したろう」という歌詞がある。私は68歳になるが、自分は社会のために何を残してきたのだろうと思う。
東日本大震災の時、日本に「結」が生まれたが、今はだんだん薄れてきたように思う。なぜかというと、人間がわがままになったからだと思う。みんな困った時に救いを求め、それに対して手を差しのべる人もいるが、ほとんどの人が見てみない振りをする無関心な人が多い。
また3年前、リハビリの本「読んでもらいたいこと 命ふたたび」を書き、その中に好きな言葉である「精力善用」のことを書いたが、いつ死ぬか分からないから精力は、善用すべきである。そして自分の役割を認識し、エンパワーメントを発揮することが大切であると思うが、「弱肉強食」、それが人間の性で二面性を持つ動物でもある。
ただし人間には、ほかの動物と違い理性というものがある。
「十勝の活性化を考える会」会長
注)結
結(ゆい)とは、主に小さな集落や自治単位における共同作業の制度である。
一人で行うには多大な費用と期間、そして労力が必要な作業を住民総出で助け合い、協力し合う相互扶助の精神で成り立っている。
結とは労働力を対等に交換しあって田植え、稲刈りなど農の営みや住居など生活の営みを維持していくために共同作業を行なうこと、又はそのための相互扶助組織のことをいう。社会基盤の維持にかかわるものは、特に自普請ともよび、労力、資材、資金を提供しあう互助活動全体を指す。地縁にもとづく「近所付き合い」とみなすことも可能であり、古くは隣組も「結」の一種といえる。
注)エンパワーメント
エンパワーメントとは一般的には、個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになることであると定義される。日本では能力開化や権限付与とも言う。
エンパワーメントの考え方は、昨今大きな広がりを見せ、保健医療福祉、教育、企業などでも用いられている。広義のエンパワーメントとは、人びとに夢や希望を与え勇気づけ、人が本来持っているすばらしい生きる力を湧き出させることと定義される。
エンパワーメントの概念が焦点を絞っているのは、人間の潜在能力の発揮を可能にするよう平等で公平な社会を実現しようとするところに価値を見出す点であり、たんに個人や集団の自立を促す概念ではない。
(出典: 小学館デジタル大辞泉)
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