十勝の活性化を考える会

     
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経験と価値観

2021-09-16 05:00:00 | 投稿

 

人間は、経験や知識などから価値観が作られ、同じ経験をすることが相手の理解にもつながる。知識には見たり、聞いたり、読書など様々あるが、何といっても経験することが大切だろう。“百聞は一見に如かず”ということで、実際に経験することが重要で、現場に赴き現物を取って現実を知るという三現主義を大切にしている。見ると聞くとは大違いのことが時々ある。嘘も方便であるが、最近の政治家を見ながらウソはつかない方が良いと思っている。

同じ脳出血した知人がいて、彼から様々なアドバイスを受けている。彼は様々な文章を書いているが、私が読んで理解できるのは同じ経験をしたからであろう。水泳選手の池江璃花子さんは、「白血病を患ってガン患者の気持ちが分かるようになった」と言っていたが、同じ経験をしたからであろう。

一方でガン患者が、彼女の言葉から“勇気”をもらったのは、“諦めない”という同じ気持ちを抱いていたからであろう。だから、人間は同じ経験などをすれば相手の気持ちが分かるようになるが、現実的に無理なこともある。従って、話を聴いたり、本を読んだり、考えたりして、相手の気持ちを思いやることが必要だろう。

また、結婚についてみれば、男女間の違いや同じ境遇や同じような育ち方をしていなかったのは、最初から分かっていたことである。若気の至りとかあばたもえくぼと言われるが、それは本当だろう。すなわち、惚れていると相手の欠点長所のように見えてくる。ひいき目で見れば醜いものも美しく見えてくるのである。性格の不一致から熟年離婚などで離婚するケースが増えているそうだが、思いやりや価値観の違いが許容限度を超えたのであろう。

なお、前記の脳出血を罹患した知人が書いた文章“支えられるということは、支えること”が、上記に関連しているので参考まで載せよう。

『わが国も批准している障害者権利条約は、障害のある人だけに権利を与えたものでなく、障害のある人も障害のない人も、すべての生活者に権利を有しています。

現在私は、定期的に医療や福祉サービスを受けています。医療や福祉をはじめとして多くの社会組織には、「施す」側と「受ける」側があります。

そこには自ずと、上位にある側と下位にある側との関係があります。医療では、医師と患者。福祉では、支援者と障害当事者といった具合です。

それは意識の根底に、自分が他者に対して何ができるかという、いわば上位に立つ無意識の思い込みが忍び込んでいることもあります。

障害のない人から見て多くの人は、障害があるから「できない」という思い込みは、気づかないうちに行動、言動に表れるもので、私は何回もそういう状況を経験しました。

最近、人が人を世話したり、支えたりすることは一体どのようなことか、そして人として、そこにどのような課題があるのかを考え始めました。このことは、立場が入れ替わったときにはじめて本当に気付くものです。

現在私は里山に移住し、自分が暮らし続けたい場所で豊かな人間関係に囲まれ、社会的役割や自己肯定感をもって生き生きと田舎暮らしをしています。自分を支えてくれる地域は、自分が支える地域でありたいとつくづく思います。

これは、「互酬」(お互いさま)に基づき、私のライフワークとして、誇りと尊厳をもって人間らしく自分らしく生きられる社会を創り出したいと考え、活動の支えになっています。

私は発病以来、多くの人々の支えでここまで来ることができました。とくに心が折れそうになったとき、ある人との出会いで勇気をもらい、そこからこころのきっかけが生まれました。

今度は、中途障害を持ったから気づいたこと、障害があるからこそ果たせる役割があると考え行動しています。私にとってのエンパワメントは、社会的障壁や不均等をもたらす社会的メカニズムの変革を考えています。』          

「十勝の活性化を考える会」会員