北海道 十勝の深掘り イチャルパ本別で復活
全国の読者の皆様に、「北海道十勝ってどんなところ?」の疑問に深掘りしてお伝えしてまいります。
イチャルパ本別で復活 20年ぶり「次世代に継承を」
【本別】十勝管内本別町の本別アイヌ協会でつくる実行委員会は25日、先祖供養の伝統儀式「イチャルパ」を20年ぶりに復活させた。地元に祭具の作り方や作法などの資料が現存せず、本別出身者がいる阿寒アイヌ協会などの協力を得て、先祖の霊に祈りをささげた。
本別町の上本別生活館で行われた儀式には、両協会の会員や佐々木基裕・本別町長ら約100人が参加。ヤナギの木で作ったイナウ(木幣)やトノト(神酒)を自然界の神々にささげ、果物や菓子などを供えた。アイヌ古式舞踊を伝承する帯広カムイトウウポポ保存会が奉納舞踊を披露した。
本別アイヌ協会によるとご記録に残る地元でのイチャルパは2001年に行われた。アイヌ文化の振興などを目指すアイヌ施策推進法(アイヌ新法)が19年に施行されたことも契機となり、同協会の小川哲也会長は「本別イチャルパを次世代に継承したい」と話した。 (岡田圭史)北海道新聞 2021/09/16