マンション・メンテblog

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大団地における増圧直結給水方式のリニューアル

2000-08-10 09:00:00 | 直接給水

横須賀馬堀台住宅
(神奈川県・横須賀市)



この工事は従来の給水システムを水道本管から直接各戸に給水する「増圧直結給水方式」に、システムの変更を行った。



従来方式は敷地内に立つ、高さ34メートルの給水塔から22棟の各戸へ給水されていた。給水塔の地下には受水槽が埋設にて設置され、ここに一旦、水道水が蓄えられ、揚水ポンプで給水塔上部に設置された高架水槽に貯水し、ここから重力方式で各戸に送水される仕組みが取られていた。



この増圧直接給水方式を行う事により、水道本管からの直接給水による水質の安全性向上、受水槽・高架水槽の清掃やポンプの点検補修費・オーバーホールなどのメンテナンス費用が掛からなくなる等、数々のメリットが生まれた。



団地敷地に高低差があるため低い方に位置する住棟は水道本管よりの直結給水方式で



高台に位置する住棟は増圧ポンプを新設して増圧給水方式とした。



今回の工事で第一に問題になった事は、500戸を超える集合住宅での増圧直結給水工事は、ほとんど例がないため、市水道局と協議を重ねた結果、団地敷地内に高低差があることから低い方に位置する9棟については、水道本管よりの直結給水方式に切り替え、高台に位置する13棟については6台の増圧ポンプを棟の妻側に新設、増圧直結給水方式とすることで、工事着工する事が出来た。



工事にあたっては既設の埋設給水管は埋め捨てにし、住宅内引き込み制水弁以降の共用給水管は新たにステンレス鋼管で埋設配管し、棟の廻りは同じくステンレス鋼管でベランダ下及び床下への配管作業を行った。共用部の堅管や量水器廻りの給水管もステンレス鋼管での配管替えを行った。専有部の給水管においては、建設省技術評価工法であるNPCパイプライニング工法による更生工事を行った。更生工事を行う事により、このままでは今後予想された漏水についても同時に予防を行うことが出来た。



施工実施の作業工程を作成するに当たり、留意した点は専有部更生工事の入室日程に合わせて、ガスの新管への切替工事を行った点である。



ガス管の切替工事の場合、東京ガスの規定による着火テストを行った室のみ閉栓を行うため、専有部更生工事の2日間在宅以外にもう一回ガス管の切替による在室が必要となり、これを避けるため、同日の施工を計画した。



幸いにして専有部更生工事及びガス切替工事は、順調に進み一戸の不在もなく工事が出来、510戸全ての専有部工事が無事行われた。



これは管理組合をはじめ、コンサルタント、居住者、施工者が一体となりこの工事に取り組んだ結果だと思います。



[工事概要]



現場名称



横須賀馬堀台住宅給水設備及びガス管改修工事



所在地



神奈川県横須賀市桜が丘2-20



建物概要



RC4~5階建て
22棟+管理集会所住戸 全510戸
昭和52年神奈川県住宅供給公社分譲



工事範囲



  1. 給水引込管工事


  2. 共用部埋設及び床下給水管更新工事


  3. 増圧ポンプ新設工事


  4. 共用部堅管及び量水器廻り給水管更新工事


  5. 専有部給水管更生工事


  6. 集会所給水管更新工事


  7. 給水塔解体工事


  8. ガス埋設管更新工事


工期



平成12年2月7日~平成12年6月30日



<アメニティ新聞215号 2000年8月掲載記事>





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