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ー 「陶芸」 が教えてくれる 15 のしあわせ ー
第八章 : たくさんの「本物」をみること/その5
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前回のブログで京都の「河井寛次郎記念館」を訪ねたことを書いた。河井寛次郎さんのことも少し触れておこう。敬称は省略する。陶芸家の河井寛次郎といえば、あの版画家の棟方志功を育てた人である。濱田庄司が棟方志功を見出したのだが、「僕は、君を教えたり導いたりするような柄ではないから、河井に君をあずけよう」といって東京工業大の窯業科の先輩でもあり、教養のある河井に棟方をあずけたのである。河井は、京都からわざわざ東京に出向き、棟方をこの旧宅に連れて帰っている。妻子には今から 「熊の仔を連れて帰るから」 と知らせていた。
不遇にあえいでいた棟方は、河井家に入るやいなや意気軒昂として、「すごいぞ青年、凄いぞ青年、・・・」 と両手のこぶしを振り上げながら部屋に上がってきたのである。棟方が33歳の時である。当時、小学4年の河井の娘さんが思い出として語っている。映画化にもドラマ化もされた有名なシーンである。河井は、棟方を自宅に住まわせて、禅や仏典などを教えたのである。それが棟方志功の版画へと結実されて行くのである。棟方が描いている菩薩のような女性は、河井の娘のこの須也子の顔なのだ。
河井寛次郎に対する棟方の敬愛の深さは、手紙にも記されている。
河井寛次郎先生
真直ぐな事をいえば、先生は泣いてくださいました。
こんなことは此の三十年の間に、嘗て廻り逢わなかった境涯でした。
・・・
物は皆美しいもの、人は皆善い(よい)人。
こんな素晴らしい言葉をわたくしに教えて下さった人は、
今までありませんでした。
与えられた美しさ、与えられたからこそ生まれた美しさ。
自分なぞ何処にあろうか。
・・・
立派なお手本を、だまって繰り拡げて止まなかった情深いお心持、
絵描きを心掛けて十余年、わたしくは初めて本当の師匠に廻り逢いました。
待った師匠は絵描きではなく、工藝の道に携わる人でした。
棟方志功
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河井寛次郎の教えは、河井に讃迎しておくった版画 「鐘渓頌 (24画面)」 へとつながっている。鐘渓窯は河井が使っていた登り窯なのである。記念館に残されている。
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師弟愛は終生続いた。河井が逝ったときの深い悲しみが棟方の書簡に残されている。
河井寛次郎先醒
河井寛次郎先醒
先生が逝くなったということを京都からの電話で聞いた時、
この瞬間空気がなくなって、わたしが吸いとられて仕舞ったようでした。
・・・
わたしは部屋中に、「先生、先生」と先生の壷、鉢、
大皿、茶碗から、あらゆる御作品をただならべていました。
・・・
それでも淋しく哀しく、茫然となるばかりでした。
・・・
智積院の境内に眠っている先醒は、いつともなく風となられて、
わたくしのそばを吹いては流れ、めぐっては吹いて、
拈華微笑を表してくださっているようです。
拈華微笑を示してくださっているようです。
河井寛次郎先醒
河井寛次郎先醒
棟方志功
河井寛次郎作品は、「開運! なんでも鑑定団」 にもよく出品されている。
又、冒頭の写真の右下に写っている3人は、「民藝運動」 を推進した人たちである。左から、濱田庄司、柳宗悦、河井寛次郎である。
・・・ つづく ・・・
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こういう本があるといい。こういう本が欲しい。残りは5,6部。
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第八章 : たくさんの「本物」をみること/その5
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前回のブログで京都の「河井寛次郎記念館」を訪ねたことを書いた。河井寛次郎さんのことも少し触れておこう。敬称は省略する。陶芸家の河井寛次郎といえば、あの版画家の棟方志功を育てた人である。濱田庄司が棟方志功を見出したのだが、「僕は、君を教えたり導いたりするような柄ではないから、河井に君をあずけよう」といって東京工業大の窯業科の先輩でもあり、教養のある河井に棟方をあずけたのである。河井は、京都からわざわざ東京に出向き、棟方をこの旧宅に連れて帰っている。妻子には今から 「熊の仔を連れて帰るから」 と知らせていた。
不遇にあえいでいた棟方は、河井家に入るやいなや意気軒昂として、「すごいぞ青年、凄いぞ青年、・・・」 と両手のこぶしを振り上げながら部屋に上がってきたのである。棟方が33歳の時である。当時、小学4年の河井の娘さんが思い出として語っている。映画化にもドラマ化もされた有名なシーンである。河井は、棟方を自宅に住まわせて、禅や仏典などを教えたのである。それが棟方志功の版画へと結実されて行くのである。棟方が描いている菩薩のような女性は、河井の娘のこの須也子の顔なのだ。
河井寛次郎に対する棟方の敬愛の深さは、手紙にも記されている。
河井寛次郎先生
真直ぐな事をいえば、先生は泣いてくださいました。
こんなことは此の三十年の間に、嘗て廻り逢わなかった境涯でした。
・・・
物は皆美しいもの、人は皆善い(よい)人。
こんな素晴らしい言葉をわたくしに教えて下さった人は、
今までありませんでした。
与えられた美しさ、与えられたからこそ生まれた美しさ。
自分なぞ何処にあろうか。
・・・
立派なお手本を、だまって繰り拡げて止まなかった情深いお心持、
絵描きを心掛けて十余年、わたしくは初めて本当の師匠に廻り逢いました。
待った師匠は絵描きではなく、工藝の道に携わる人でした。
棟方志功
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河井寛次郎の教えは、河井に讃迎しておくった版画 「鐘渓頌 (24画面)」 へとつながっている。鐘渓窯は河井が使っていた登り窯なのである。記念館に残されている。
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師弟愛は終生続いた。河井が逝ったときの深い悲しみが棟方の書簡に残されている。
河井寛次郎先醒
河井寛次郎先醒
先生が逝くなったということを京都からの電話で聞いた時、
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わたしは部屋中に、「先生、先生」と先生の壷、鉢、
大皿、茶碗から、あらゆる御作品をただならべていました。
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それでも淋しく哀しく、茫然となるばかりでした。
・・・
智積院の境内に眠っている先醒は、いつともなく風となられて、
わたくしのそばを吹いては流れ、めぐっては吹いて、
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拈華微笑を示してくださっているようです。
河井寛次郎先醒
河井寛次郎先醒
棟方志功
河井寛次郎作品は、「開運! なんでも鑑定団」 にもよく出品されている。
又、冒頭の写真の右下に写っている3人は、「民藝運動」 を推進した人たちである。左から、濱田庄司、柳宗悦、河井寛次郎である。
・・・ つづく ・・・
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