とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

ひび割れ粘土質土壌

2018年10月29日 | 日記
ph測定器と一緒に取り寄せた土壌学の新刊。藤井一至氏著の「土 地球最後のナゾ」をph計測と並行して読んでいましたところ、107ページの図50が目に留まりました。ひび割れ粘土質土壌?どこかで見たような・・・


先日、こねてサイコロにした、農具置き場沿いの通路の土。改めて見てみると、図にあった程ではありませんが、確かに割れています。


さすがにこんな土が世界一肥沃と言われるチェルノーゼムと同じわけがない、などと思いつつも、新しい機械を手にするとついつい使ってみたくなるもので。早速サンプルを採取し、phを測定します。


水道水(ph6.57)に土を投入 → ph6.76
湧き水(ph7.25)に土を投入 → ph7.51
まさかのアルカリ性。

チェルノーゼムの粘土主成分はスメクタイト(モンモリロナイト)、保水力、養分保持力が最も優れている粘土鉱物ですが、スメクタイトが形成されるためにはph7.0以上が必要です。その条件を十分に満たしています。藤井氏の書籍を読み返してみると、ひび割れ粘土質土壌の主成分もスメクタイトで、日本では水田によく見られるとのこと。そういえば、子供の頃、学校帰りにひび割れた田んぼをよく目にした記憶があります。日本の水田が世界一肥沃な畑と同じ粘土成分を持つとは思いもよりませんでした。粘土についてますます興味が湧いてきました。
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土壌ph試験

2018年10月29日 | 日記
今秋作の途中から「畝間の表土(腐植+粘土)を全て畝にすき込む」という取り組みを始めたところ、見違えるほどに生育が安定してきました。そこで、現在の手法の妥当性を検証し今後の方向性を探るため、土壌pHを計測してみることにしました。

安価な機器なので測定精度はあまり高くないと思いますが、目安になれば今のところは十分です。


畑からサンプルの土を採取します。先ずは、前作が芳しくなく、耕し直して小麦を播く予定の畝から。

<サンプルA:畝上部のパサパサの土>
水道水(ph6.40)に土を投入 → ph6.18
水道水より強い酸性。ph6.0未満と推定。
※前作が失敗したのも当然な酸性土。野菜栽培にはph6.0以上が最低限必要。


<サンプルB:畝間表土のねっとり土塊、腐植入り、ミミズ付き>
水道水(ph6.40)に土を投入 → ph6.45
水道水より中性に近い。
湧き水(ph7.17)に土を投入 → ph6.56
水道水の結果と合わせると、サンプルBはph6.5付近と推定。
※この土がしっかり畝に入っていれば・・・。


<サンプルC:サンプルB直下にあるボソボソの土>
水道水(ph6.40)に土を投入 → ph6.33
水道水より酸性が強いがph6.0以上ではあると推定。
※いい粘土は表層に集積する模様


続いて、ナスがよく育った場所の畝間表土を探ります。
<既に枯れたナスの林>


ナスの畝間は柔らかい草がしっとりと生え、なにやら厳かな雰囲気です。


実に勿体ないですが、草をむしり、表土を剥ぎ取ります。


<サンプルD:ナス畝間の表土>
水道水(ph6.38)に土を投入 → ph6.49
湧き水(ph7.15)に土を投入 → ph6.78
双方の結果からph6.6付近と推定。
※ナス栽培には申し分ない土壌ph


これまで使って来なかった畝間の土がこれほどのお宝とは。もっと早くph測定をしていれば・・・。
しかし、今後の土質改善が楽しみになってきました。
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